遊技通信Web特別レポート

業況の悪化が深刻化するなか、パチンコ業界から他の業種へ転職する「人材の流出」傾向が強くなっている。業界外への転職希望者が増加している背景には、長引く業況不況に加えて新基準機への移行に伴う遊技機問題の不透明感や受動喫煙対応などの設備投資負担、さらにはそれに伴う事業縮小や撤退など、今後業界が対峙しなければならない課題の深刻さも少なからず影響しているようだ。

■他業種への転職考えた理由 トップは「業界の現況と将来不安」

表1は、パック・エックスが他業種への転職を考えたものの、再び業界企業への再就職を検討しているパチンコ業界復帰相談者(元パチンコ正社員)からのヒアリングを元に、その背景や動機をまとめたものだが、全体の31%を占めるなど最も大きな理由となったのが「パチンコ市場の現況と将来に対する不安」だった。

転職を考える際のきっかけは、一般的には給与への不満や社内の人間関係などの項目が上位に上がるものだが、このデータでは「先行きへの不安感」がそうした項目よりも上回っているのが特徴的で、自分が勤めている会社が「いつ事業縮小や撤退するかわからない」といった危機感や「このまま業界にいて大丈夫なのか」など、漠然とした不安に苛まれた結果、他業種への転職を決断した人が少なくないことを裏付けるデータとなっている。

■他業種への転職も一つの選択肢

では、実際に業界を離れた人たちは、その後どういった職種に就いているのだろうか。表2は、代表的な転職先とその業種の平均年収をまとめたものだが、最も大きな比率を占めているのが「営業職」で、「飲食・サービス」や「運送・ドライバー」のほか、小売や介護、軽作業などが見られた。営業職はインセンティブが高く、成果がダイレクトに給与に反映されるため、業界で従事していた際の給与水準を維持するための選択肢になっているが、高収入を維持するのは容易ではない。ほかにも小売や介護、軽作業などの職種が続くが、その大半がパチンコ業界で培った経験やキャリアを活かした転職とはいえないものばかりで、慣れない仕事や環境で思うように業績を上げることができずに収入が不安定になり、結果、給与が大幅に減少してしまった例も少なくない。

一方、他業種の企業から見るとホール従業員は、さまざまな客層の人と関わるため、コミュニケーション能力や接客技術が高く、こうした能力は転職活動の際に評価されるポイントになっている。若いうちからマネージャーや店長など責任のあるポストを与えられる機会も多いことから、部下のマネージメント力や財務管理・コスト管理能力が同年代の人より長けている場合が多いのも特徴だ。

若年層であれば未経験でも他業種への転職は行いやすいが、30代以上では即戦力や実績を重視する企業が増えるため、より強い専門性やマネジメントスキルが要求される。歳を追うごとにハードルは高くなるが、それでもしっかりとした覚悟をもって臨むのであれば、「他業種への転職」も選択肢の一つとして検討するべきかも知れない。

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