「遊技産業活性化委員会」に望むこと(遊技通信6月号より)

遊技業界の関係者がよく口にする「ファン人口」といえば、日本生産性本部のレジャー白書が発表する「参加人口」が一般的である。

言葉が違う以上、本来、両者は違う性質のものなのだが、いずれにしても、これが年々減少傾向にあることは、業界関係者の共通認識といっていいだろう。レジャー白書の数値について、調査方法や基準に疑問を抱く人も少なくないようだが、他のレジャー産業あるいは時間軸での比較ができるという点では、間違いなく応用価値が高い物差しである。

よくいわれることだが、このところの業界は、全体のパイを拡大させることよりも、縮小するファンを互いに取り合う消耗戦が続いている。しかも、より効率的に収益を上げるため、ハイリスク・ハイリターンを求めるファンにターゲットを絞った営業でそれを行い、その戦いから日々、ファンが脱落していくという図式だ。

結果的に営業はますます先鋭化し、残ったファンの中でもよりマニアな層やヘビーな層を追い求め、低価貸と射幸性の高いコーナーとに二極化しつつある。
 
こうした悪循環が続いた結果、遊技機購入費やその他経費を捻出するための高粗利営業を現場に強いることも常態化した。いわば「低売上・高粗利・低純利」という、バランス的には最悪の状態に陥っている。ホール側にしてみると釈然としない状況にあるのは分かるが、このしわ寄せを受けるのはファンも同様である。日々、ファン人口が減るのは当然の流れだろう。
 
厳しい環境下にあっても、規模を年々拡大する遊技場経営企業があるように、こういう表現は業界全体の経年的傾向を捉えたものに過ぎない。とはいえ、これは大手の遊技場経営企業であろうとメーカーであろうと、最終的には勝ち組が存在しない図式であることは、少し考えれば分かることだ。

新規層の獲得やブーム作りといったものは、他の業種ではリーディングカンパニーが担ってくれることが多いが、業界内ではその要素が薄い。事態がここまでくると、立場の違いを超えて同業者組合が展開すべき最重要課題にまで追い込まれている。業界の産業サイクルは成熟期から衰退期に向かって明らかに加速しており、個々の試みでは抗しきれない流れにある。
 
今の営業方法の延長で多少の改善策を図っても、見切りをつけたかつてのファンを取り戻すことは難しいかもしれない。効果的と思われる試みでも、おそらく即効性はないだろう。しかも、大雑把にいえば、現在、残っているファンは今の営業方法についてきている人ばかりなのだから、今の客を大事にすればするほど、改革に手をつけられないという、もどかしさもわかる。
 
しかし、時を経るごとに改革への着手はますます難しくなる。パチンコ・パチスロは多くのファンがいなければ存在意義すらなくなる業態であることを考えると、産業規模の拡大はファン人口の増加が支えるべきであることも明白だ。
 
このたび、業界団体が横断的に組織した「遊技産業活性化委員会」について、これを遅きに失したとはいわない。が、時間がないことだけは間違いない。これまでのスローガン倒れを繰り返さないよう、参加人口などの明確な数値目標を掲げた展開を望みたい。

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