軽視できない「のめり込み」対応(遊技通信10月号より)

カジノ法案の国会審議を意識しているのか、それがなくても強い働きかけをせざるを得ない状況なのかは定かでないが、このところの行政の担当官による講話では、「のめり込み」問題への言及が目立っている。

6月に行われた講話では、遊技機の射幸性やホール駐車場における子供の車内放置事案、さらには広告宣伝でも、のめり込み問題と関連付けた。特に射幸性の問題では、「そもそも遊技客がのめり込まないように射幸性を低く抑えるということが基本である」とし、これを重視するスタンスを示した。ちなみにこれは、厚生労働省の研究班調べで、我が国のギャンブル依存症が536万人もいると新聞各紙が報道する前の段階における話だ。

あらためて記すまでもないことだが、遊技機の射幸性に関しては、風営法施行規則で「著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準」が定められ、さらに遊技機規則の技術上の規格でもって、事細かい決まりごとが設けられている。この規格に従った遊技機である以上、ホール営業に使われる遊技機そのものは、「著しく射幸心をそそるおそれ」はない。
 
その一方で、遊技場営業における射幸性の問題は、機械性能だけで判断することはできないことも周知の通りである。

広告宣伝規制や一物一価指導などを考えるまでもなく、営業方法など他の要素も含めて考えなければならない。端的にいえば、同じマックスタイプでも4円営業と1円営業とでは営業における射幸性には開きがある。しかし4円でマックスタイプを使うこともまた、法令で認められた範囲のことだ。

 

遊技機も営業方法も法令で認められる範囲内で行われている以上、「著しく射幸心をそそるおそれ」と行政講話がいうところの「遊技客がのめり込まないように射幸性を低く抑える」の程度は明らかに違う。一連の行政講話は、今の業界が行っているのめり込み対策を射幸性の部分にまで踏み込み、「著しく」を規定する法令の内側に、もうひとつ、のめり込み対策用のラインを自主的に設けるよう求めるものだ。
 
講話は、「ポケットマネーの範囲内で適度に楽しんで帰ることができるという身近な大衆娯楽としてのぱちんこ本来の姿」ともいう。もとより、今の営業が「ぱちんこ本来の姿」でないのであれば、遊技機規則などを改正し、営業のポテンシャルを強制的に下げれば済む話である。行政講話は、「それでも構わないのか」という、業界への問いかけと捉えるべきかもしれない。

 

警察庁は8月になって、主要業界団体に対し、あらためて「のめり込んだ人に対する対応」とは別に「のめり込ませない対策」、端的にいえば低射幸性の遊技機の検討を促している。この場合、1円パチンコや5円パチスロは、いくら普及してもその免罪符にはならない。のめり込みに起因する各種の問題は、射幸性の高い側の存在が焦点になる。
 
行政が振るう大鉈や、かつての社会的不適合機撤去のような措置に耐えられる体力が、今のホールやメーカーにあるのかどうか。それを考えると、その前に何らかの策を講じたいところだが、ホール団体の物事の考え方が分岐分裂し、需給間の思惑にも隔たりがある現状が不安を膨らませている。

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