再浮上する「ヘソ賞球増加」求める声

BY高い新基準機でもベース上がりきらず
 
遊技くぎ問題への対応が求められるなかで、検定時と同じ状態で納品され、かつ利益面も含めて営業上で使えることを念頭に置いた新基準機が徐々に市場に投入されはじめた。 これらの新基準機は、いずれも一般入賞口への入賞率が従来より高く、ヘソ入賞分も含めてベース全体が上昇している。大当り確率1/399時代の機種では20%を下回っていたベースは、22~24%程度まで上がった。
 
ただ、そのなかで、いくつかの課題も浮かび上がっている。
 
その一つは、新基準機のBYがジリジリと下がっている点だ。12月初旬に登場した新基準機のBYを導入初日と翌週で比較すると、BYが0.5程度落ち込んでいる。この背景にあるのは玉粗利の低さ。導入3日間の平均玉粗利がわずか3銭の機種もあったが、これを仮に4万個稼動のケースに当てはめると台粗利はわずか1200円。この低い粗利を軌道修正するために、BYを下げている構図だ。適正な利益を確保できるスペックバランスの設定など、メーカー側の対応も必要になってくるが、さらに一段階ベースを引き上げる必要があるにも関わらず、BYが下がっているのは大きな懸念材料だろう。
 
もう一つの課題はファンへの訴求効果だ。一般入賞口への入賞率が高まり、それに伴いベース全体が引き上げられたメリットをファンが体感できている印象は薄い。自身もパチンコユーザーという、あるコンサルタントは「展示会での一般入賞口に注目して試打したが、確かに今までより入賞率が高いと感じた。しかし、実際にホールで打った時には意識が演出に集中するため、一般入賞口によるベース増を体感できなかった」と語る。ファンが意識してくれないとなれば、ホール側が利益が低すぎると感じた場合、BYを落とし玉粗利を上げて対応するのもうなずける。
 
 
もう一つの方法論「ヘソ賞球増加」を望む声
 
 

こうした状況のなか、求められるベースの引き上げを、一般入賞口の入賞率アップで行うのではなくヘソ賞球の増加で行うべきではないか、と指摘する声が増えている。
 
あるコンサルタントは「必要なのはベースの引き上げであり、それを一般入賞口で実現することは必須ではない。ヘソ賞球を増加させる選択肢も併せて模索していいのではないか」と指摘する。分あたりのスタートが同じならば、ヘソ賞球の増加はダイレクトにベース増として反映される。どうせベースを上げるならば、よりファンに訴求しやすいスタートで行う方向性があっていもいいというわけだ。
 
このコンサルタントは「BYが高ければ1000円スタートが多くなるメリットがあるが、パチスロのように『1000円(50枚)で平均○ゲーム回せる』といったアピールは行いづらく、新基準機の小冊子などでもBYの高さなどは直接的に表記されていない。BYの高さを知らず、大当りラウンドの振り分けなどのスペック表を少し詳しいファンが見れば、単に出玉が少ない機種と認識されてしまう。その点、スペック表に表記されるヘソ賞球が増えれば、ベースが上がったメリットが伝わりやすい」とも指摘する。また、スタート回転数はホールを評価する最大の要素だけに、ホール側もBYのように利益性を上げるために安易に落とすことはできないだろう。
 
ヘソ賞球の増加が必要という声は以前からあった。実際、数年前にはメーカーがヘソ賞球4個以上のタイプをシリーズ機の一つとしてラインナップしたケースもあったのだが、ホールへの導入実績はわずかに留まっていた。
 
ただ、この時に大きな懸念材料となっていたのは「売上が減少する」という部分で、高ベース時代となればそうした心配もなくなる。大当り確率、ベース、分スタートが同じならば、ヘソ賞球の数に関わらず、大当りまでの平均投資金額は同じとなるわけで、これはつまり、ヘソ賞球を増やしても売上性能が下がることはないということになる。ヘソ賞球を増やすべきという声が、再びあがってきた背景にはこういう理由があるようだ。
 
現在の大当り確率下限1/320は、いわゆる初代海物語の時代と同じだ。「4個といわず初代海時代の5個にまでヘソ賞球を増やしてもいいのではないか。現在はいわゆる『脱・業界等価』が進むなど、当時と共通する状況も増えてきた」と指摘する声もある。ましてや多くのファンはその当時を「パチンコが面白かった時代」と認識しており、現在のプレイヤーはもとより、休眠層への訴求効果も期待できる。
 
いずれにしても、ベースを高めなければならないことは間違いないが、そのベースアップの実現手法は様々な方法論が考えられる。現在行われている一般入賞口の入賞率アップもその一つだが、射幸性に変わるパチンコの魅力をアピールし稼動の底上げをはかることを考えるならば、ファンへの訴求効果が高いヘソ賞球増加を模索する動きがあってもいいはずだ。
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED POST関連する記事

NEWSニュース

  • 業界団体
  • メーカー
  • ホール
  • 関連企業
  • 新機種
  • 行政
  • 事件
  • イベント
  • セミナー
  • インフォメーション
  • 就職・転職
  •            
  • コラム
  • その他

PICKUP CONTENTSピックアップ

10月のホール企業採用熱、過去5年の同月比で一番高い数値に

2019/11/12

月間遊技通信最新号

遊技通信2019年11月号

主な記事:

厳しいタイミングで6号機の実力が試される展開に
秋枯れ時期と重なる注目機の導入 6号機への本格移行に試練

詳細を見る

税込価格:2,200円 (本体:2,000円)
発売日:2019年10月25日

  • 遊技通信 公式サイト
ページ上部へ戻る

Copyright c パチンコ・パチスロ、業界ニュースを配信 遊技通信web All rights reserved.