やるべきことは決まっているのだから(遊技通信2016年1月号より)

年の瀬になっても慌ただしい今の遊技機を巡る一連の問題は、かねてから行政講話でも繰り返されているように、「射幸性の抑制」と「適正な遊技くぎ」の二つの基準から考えていかなければならない。前者では「適度な射幸性の遊技機に入替わる」こと、後者では「検定機が検定時の性能のまま遊技客が遊技できる環境にする」ことが求められている。つまり、どちらにしても今の遊技機を入替えていかなければらないということだ。
 
ここで行政は「可及的速やかに」というが、こうした言葉を行政が使う場合、時間的な余裕がどれだけあるのかの判断は難しい。当初は「今すぐ」といったニュアンスで広まったが、最近では「入れ替える遊技機がなければ入れ替わらない」という、当たり前の結論になってきているようだ。
 
今後の課題は、該当する遊技機の判断基準や遊技場からの撤去スケジュールが、行政当局が望む範疇に収まっているかどうかだろう。以前から繰り返し述べていることだが、行政は組織としての性格上、世間の風向きに応じて施策を取っていく。撤去の判断基準やスケジュールが甘いとの声がマスコミを含む世間から出てくれば、今度はそれに「直ちに」対処するよう、業界に要請してくる可能性は高い。遊技機は黙っていても入れ替わるが、そうした市場原理よりは遥かに早いスピードでもって、二つの基準から逸脱している遊技機を撤去する必要がある。
 
現在、ホール側はメーカーが適正な遊技機を供給していないことを言い訳にできる状況にあるかもしれないが、この供給が始まったら、逆にホールに対する圧力がより強まる。遊技機規制違反が示唆されている以上、営業上の都合を優先できない。また、一部には行政当局の指導内容のブレを指摘する声もあるが、一連の講話や文書を通して読めば、その指摘にはあまり意味がないことがわかる。
 
インターネット上では、今の機械問題をかなり突っ込んで書いているブログがいくつかあり、その閲覧数はかなりの数に上っているという。もはや一般マスコミがいつ問題化させてくるかわからない状況であり、一般マスコミがこの問題を正確に伝えることができるかどうかには疑問が残るが、たとえ細部に誤りがあっても大筋で正しければ、社会の批判は高まるだろう。
 
いずれにしても、業界としては粛々と撤去・入替えを進めていくしか道はない。そして、やるべきことが決まっているのだから、たとえ痛みが伴ったとしても、業界はこれを好転材料として利用するしかない。射幸性が抑制され、適正な遊技くぎの遊技機へと入替わっていくと、遊技場の営業方法も必然的に変わるだろう。が、もとよりこれは変えなければならない状況にあったものだ。産業ライフサイクル的に衰退期へと突入していた印象が拭えなかっただけに、ここで新たな転換を図らなければ、一連の出来事は単なる規制強化で終わってしまう。
 
転換の過程では、様々な軋轢が業界の内外で起こるに違いない。例えば「業界等価」の時代を支えてきたプレイヤーは、新しい営業スタイルには魅力が薄れたと感じるかもしれない。そうしたプレイヤーを引き止める策と、休眠層や新規層を呼び寄せる策の両立が望ましいが、これは相当な難事だ。
 
それでも、現在のプレイヤーを重視したばかりに転換が進まなければ、今の衰退傾向から脱することはできない。そのことだけは確かなように思う。(遊技通信2016年1月号より)
 

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