ゴト行為の蔓延が招く業界リスク(遊技通信2016年6月号より)

業界では、団体の総会と行政講話がセットになっているのが一般的である。ほかの業界の事情に明るいわけではないが、議員や監督官庁から祝辞をいただくケースはあるにしても、こんなにも行政講話がなされるものなのだろうか。毎年同じような内容を聞かなくてはならないこと自体、自分たちの業のあり方のどこかがおかしいと考えるべきではないだろうか。
 
その行政講話では、毎年同じことが述べられているようにみえて、実は警察行政による業界に対する指導の力点が少しずつ動いている。指導の大半は「遊技場周りでの事犯の絶無」を期するものであり、そうした様々な事犯の背景にあるものが依存(のめり込み)だと捉えている。そして、問題を減らすためには、遊技機の射幸性を適度なものに管理する必要があるという構図だ。
 
ところが、ここ数回の講話をみると、遊技機の射幸性だけではなく、遊技そのもの、つまり遊技場の営業方法も含めた管理に変化している。こうした「遊技の管理」を行うためには、従来からの遊技機の射幸性管理と並行して、賞品提供価格のあり方や遊技料金、さらには賞品流通システムそのものにも本格的に触れてくる可能性がある。
  
遊技くぎ問題に限らず、習慣的にこれまで行ってきた事柄でも、最近では厳正で厳密な対処がなされるのは周知の通りだ。舵取りを誤ることができない課題だが、警察庁の講話は本来は業界側の対応を求めているものである。「遊技の管理」を考えて実行する主体は、あくまでも業界側にある。
 
遊技場で発生する不正事犯として忘れてはならないのものに、ゴトがある。この数年来、遊技機のセキュリティ性能が高まったことで、かつてに比べるとゴト被害は限定的になったようにも映るが、専門家によるとむしろ根深いものに進行しているという。
  
遊技機のセキュリティ性能が高まったことと同様、ゴト部品も高度化し、そこにゴト行為の手慣れと大胆さが加わっている。さらには、現場の慢性的な人手不足なども原因として挙げられるそうだ。これなどは、明らかに経営企業側の問題である。
 
ゴト対策を専門とする業者に外部委託することも時には必要だが、自店の遊技機を自らの手で日々欠かさずチェックすることの重要性は高い。ところが、遊技場の運営コスト圧縮の流れの中で、不正対策の部署を廃止したところも多く、企業側がこれを軽んじている様子が窺える。ゴトに対しては、業界側は常に受け身にならざるをえない。日々のチェックと情報共有は重要な作業であり、これによって自店の被害を最小限にするだけではなく、業界全体での広範囲な被害を小さくできる。
 
少なからずのホール関係者は、ゴトの被害者を自分たちだと思っているだろうが、プレーヤーを含む一般社会からみれば、これは「業界が引き起こした不祥事」である。最近の社会における様々なニュースをみても、こうしたケースでは「業界も加害者」と指摘されかねない時代だ。反社会的な組織が利する構造になっている業種業態への風当たりは強い。ゴトは個々の店舗だけの問題ではないのである。
 
今の遊技場経営企業は、サービス業としての顧客サービスの充実に力を注いでいるが、一番の商品である遊技機管理を徹底させることを優先したい。とりわけゴトへの対応は、自店の防衛や自社の企業価値向上のみならず、業界全体のイメージダウンを避けるための大事な作業だと考えるべきだろう。(遊技通信2016年6月号より)

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