参加人口の回復は誰の役目か(遊技通信9月号より)

公益財団法人 日本生産性本部が発行するレジャー白書の最新版が発表され、昨年のパチンコ参加人口が明らかになった。かつては3,000万人いた参加人口のちょうど3分の1にあたる970万人だという。参加人口の低迷は長く続いている現象だが、ついに1,000万人の大台を割ったことが象徴するショックは大きい。

複数の業界関係者が指摘するが、今の業界が抱える問題点を自らの行動に置き換えると、ひとつが「今のパチンコ・パチスロを自分自身が遊技するか」で、次いで「それを知人友人に勧められるかどうか」だという。的確な表現だろう。前者は既存のプレイヤーに満足感を与えているか、後者は新規層の呼び込みが行える環境にあるかを端的に示している。
 
当たり前のことだが、今の参加人口の低迷は、既存ファンがパチンコ・パチスロを辞めていく一方で、新規層の獲得もできていないから起っている現象だ。大当たりまで多額の費用を要し、逆に当たりを引くと終了するまで長時間かかってしまうのは、金銭や時間を有効に使おうとする現代社会では逆行する産業構造ともいえる。自ら遊ばず、知人にも勧めない業界関係者の多くは、そのことを理解しているのだろう。
 
業界関係者自身が遊びたいと思う遊技機や営業方法を導入し、まずは自らが遊技し、今までパチンコをしていなかった知人友人を10人以上勧誘すれば、参加人口はあっという間に増える。もちろん、これは机上の計算である。

パチンコ・パチスロを辞める理由は人それぞれだろうが、これが業界人自らも楽しめ、人に自信を持って勧めることができるものならば、そうそう参加人口が減ることはなかったはずである。また、例えば折り込みチラシで使われる用語は知らない人にとっては全く理解不可能な言葉の羅列であることが象徴するように、遊技場に足を運ぶ人とそうでない人との垣根は高い。既存のプレイヤーに見切りをつけられ、新規層を呼び込む環境が整備されていないのであれば、参加人口が減るのは当然である。

既存のプレイヤーを満足させつつ、新規層やかつてのファンを受け入れるような業態作りを、本気になって模索する必要がある。従来、こうした事柄は業界団体の仕事だと考えていたが、事態が好転しない以上、もはやリーディングカンパニーの持つパワーに期待するしかないのかもしれない。もとより、その産業を奮い起こすのは、市場を牽引する者の役割のひとつだろう。

だからといって、「業界団体は黙っていろ」というわけにもいかない。法令で様々な縛りがある業態の是正には、行政との折衝は欠かせない要素であり、少なくともこれは業界団体の仕事だ。

ところが、聞くところでは、ホール系団体同士の会合はこのところ開催されていないそうだ。事態がここまで悪化してなお、団体間の垣根が障害になるのであれば、これはもはやどの団体がどうのこうのではなく、全ての組織・団体がその存在意義を失うのではないだろうか。大手と中小による考え方の違い、需給間の立場の違い、さらには団体間の思惑の違いも超えた産業全体の課題に直面していることを、誰しもが認識していると思うのだが。

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