参加人口回復でも好転しない景況感(遊技通信2015年8月号より)

日本生産性本部がまとめる「レジャー白書」によると、パチンコ参加人口が1,000万人台に回復した。とはいえ、業況の厳しさは募る一方なので、何が奏功してこの値が増えたのかピンと来ない人も多く、当然ながらいい景況感を抱かせるには至っていない。
 
参加人口の回復は、ほとんどすべての業界団体がスローガンのメインに掲げてきたように、長年に渡る業界全体の最優先事項だ。今回、これが増えても胸をなで下ろすことができないのは、何がどう変わったから参加人口が回復したのだという、因果関係がはっきりしないからである。というよりも、この回復に向けて特に何かをした気配がないのだから喜びようがない。
 
業界団体は、例えば5年後には2,000万人に回復させるなどの具体的目標を掲げ、それに向けた中期計画を立案、実行すべきではないだろうか。具体的な行動が伴うと因果関係が明確になり、その後の展開は今よりずっと楽になるはずである。
 
一方の市場規模については24兆5,040億円で、こちらは一昨年に比べて若干の縮小となった。ただしこれは、過去に遡って数値の見直しを行った結果を踏まえたものである。日本生産性本部では今回、1992年以降の数値の上方修正をしており、今回の数値もその延長で算出された。
 
公開されている業界関連企業の決算内容などから鑑みても、これまで白書で示されていた市場規模には、疑問を抱く関係者が少なくなかった。過去に20数年も遡って市場規模の見直しをするのは、これを公表する側にとっては勇気のいることであり、他の調査結果との整合性を考えても、必要な措置として評価されるべきだろう。
 
市場規模と参加人口の関係でいうと、昨今の行政講話ではこれを割算した「一人当たりの年間遊技費用」の高さを問題視していることは、周知のことだろう。今回、レジャー白書が見直したのは市場規模であり、分母となる参加人口に変化はないのだから、当然、この値も上昇した。射幸性の高さを問題視する側にとっては追い風となる見直しともいえる。
 
こうした計算方法は少し乱暴だとの意見もあるが、17年のピーク以降、市場規模は縮小しているにもかかわらず、一人当たり年間遊技費用が高騰しているのは、やはり参加人口の減少によるところが大きいことは事実だ。
 
ダイコク電機がまとめる「DK-SIS白書」でも、全国のホールの総粗利額の下落傾向には歯止めがかからず、年々5%程度の規模縮小が続いていることが明らかになっている。低価貸営業が普及しても参加人口の拡大が実現できないとなると、これは単純に売上減であり、しかも遊技人口が減少傾向にある中で総粗利額を維持するには高粗利営業しかない。しばらく前まで行われていたこうした手法も、行き詰まっているということなのだろう。
 
当たり前のことだが、この図式では肝心要の参加人口がますます減少する。長年に渡って指摘されている「負のスパイラル」だ。結果、いよいよ粗利の確保もできなくなったのだろうが、実はこれも何年も前から少なからずの業界関係者が想定していた展開である。
 
多くの人が想定していたのに、その通りになっていくのは、売上規模の拡大や粗利維持のための具体的手法はあっても、参加人口拡大のための具体策がそのベースになかったからだろう。業界全体が、現実的対応での優先順位を取り違えていたのかもしれない。

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