司法・行政・立法 それぞれの判断基準(遊技通信2015年2月号より)

先月号の当欄で、今の業界が正面から取り組まなければならない課題として「依存・のめり込み問題」の対応で懸念される点について触れてみた。今回は、「賞品流通の在り方」の現状を考えてみたい。
 
昨年秋、北海道と鹿児島県で発生した賞品買取りによる風営法違反事案に共通するのは、遊技場と景品買取所の経営が同一であるとみなされたという点である。この同一性については、行政担当官によるかつての論文で「人的関連性」「買取りの形態」「資金提供の有無」が判断基準として挙げられ、「現在行われている換金行為のうち、営業者と関係のない第三者が客から賞品を買い取ることは、直ちに違法となるものではない」と記された。判断基準に抵触しない第三者による買取りは、風営法違法ではないとしたのである。
 
先の二つの事案では、景品買取所の人件費が遊技場から支出されていた点と、景品買取所の経営者が遊技場の経営者の親族であった点が基準に抵触した。形式的な第三者の介在は摘発対象になることが明らかになったわけで、真の第三者が買い取る仕組みづくりが求められる。が、この「真の第三者」というのが難しい。
 
昭和二十九年の連発禁止令は、連発機が持つ射幸性の高さだけではなく、パチンコ客から賞品を買い取るバイ人が路上にうろついていることが問題視された。ほとんどのバイ人はパチンコ店側が関与しない「真の第三者」だったが、無論、それは健全な姿ではない。
 
同一性問題については、出店反対訴訟に絡んで裁判所が示した判断基準もある。「構造上の一体性」「管理の一体性」「客の利用実態を含む機能の一体性」の三点だが、こちらの基準では一番最後の「利用実態を含む機能の一体性」が特に厳しい。現在の買取所は、遊技場の専用施設としてのみ存在していることは言うまでもない。
 
十年ほど前に行政当局が景品買取所の実態調査を行い、営業者が景品買取りに関与していると疑われる形態が複数で確認されたことがあった。調査の詳細を窺い知ることはできないが、もしも裁判所が示した「利用実態を含む機能の一体性」の観点で調査されたら、ほぼ全ての遊技場が指摘を受けることだろう。「真の第三者」と同様、かなり難しい課題である。
 
ただ、いずれにしても不安を抱えたままの営業よりは、一歩ずつでも解決に近付づけるべきであり、まずは行政が指摘する「人的関連性」と「資金提供の有無」、そして裁判所が示した「構造上の一体性」と「管理の一体性」は解消したい。昨年の行政講話では、「営業者が買取行為の仕組みを考えたり、論じたりすること自体が、風営適正化法の趣旨に反する」とされたが、当面のやるべきことが分かっているのは、解決策を模索するうえでは強みだ。
 
行政と司法の判断基準のほか、最近では自民党議連の動向も気になるところで、税金か納付金か分からないが、今度は「その存在を許すかどうか」の判断基準に、国民への還元という要素がクローズアップされつつある。もとより、時の経過とともに自然に解決するテーマではないのだが、今までのように無為無策のままでは、より話が複雑化する展開になっている。

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