尊重したい30年前の附帯決議(遊技通信2016年2月号より)

遊技くぎに関わる報道が新聞各紙からなされたのを受け、昨年暮れ、日工組や日遊協など6団体が、問題のあるパチンコ機の撤去回収に向けた声明を発表した。同日付けで、全日遊連も日工組と連名による健全営業に向けた宣言を警察庁に提出している。
 
一般報道では、問題のあるパチンコ機の撤去回収規模について、多くの新聞が「数十万台」と報じるなか、しんぶん赤旗だけが「パチンコ台のほぼすべてが、法令違反状態である可能性があります」とした。会期中の今国会で一連の問題が取り上げられるかどうかは現時点では分からないが、いずれにしても、この撤去回収規模にはあやふやな要素が残っており、さまざまな事態への備えが必要かもしれない。
 
とはいえ、年内にひとつの区切りをつけたせいか、この事態を乗り切った後には明るい展望を抱けるのではないか、とする関係者が年明けから増えているように映る。まだまだ一件落着には至っていないが、一連の混乱は業界等価の撤廃を始めとした、長年に渡って業態悪化要因と指摘されていた課題の改善に向けた代償なのかもしれない。
 
もとより、悲観的なことばかり言っていられないのが今の業界が置かれている状況だ。明るい展望を抱ける要素を、少しでも積み上げていきたい。

今回も多くの関係者が痛感したと思うが、業界は良くも悪くも遊技機次第という要素が、どうしても強い。ところが、現状の規則の下では遊技機で起こるあらゆる出来事を数値化しないといけないことから、ぱちんこ遊技機が持つ本来的で本質的な楽しさ、つまりは遊技球がランダムに盤面を跳ねる様に一喜一憂するような楽しさを提供しにくい状況にある。
 
風俗営業取締法の抜本的な見直しを図った昭和59年改正では、衆院の地方行政委員会での審議の際、附帯決議がなされている。改正案に盛り込まれた立入検査や管理者制度、許可の基準などで当時の営業者が不安を抱いたことから、これを受けた地方行政委員会が付したものだ。参院の地方行政委員会でも、ほぼ同じ内容の「風俗営業の規制等の改善対策確立に関する決議」が全会一致で採択されている。
 
衆議院地方行政委員会の附帯決議は全12項目あり、その6番目に『遊技機の技術革新が著しい現状にかんがみ、技術上の規格の検討に際しては、学識経験者及び業界代表等第三者の意見を聴取して尊重し、機械の画一化を招いたり、時代のニーズにマッチした技術開発を遅滞させることのないよう運用に特段の配慮をすること』とある。特電機、超特電機らが次々に登場し、役物の進化が著しかった頃の話である。
 
附帯決議には法律的な拘束力はなく、六法全書にも記載されない。しかしこれは立法府としての意思であり、行政は法令の運用において尊重しなければならない。が、今の遊技機を取り巻く環境はどうだろう。参議院の地方行政委員会の席上、ある委員が「法律がひとり歩きすると附帯決議はいつの間にか忘れられてしまう」と指摘しているが、確かにその通りのものらしい。
 
国民に賭博的要素を含んだ娯楽を提供することを通じて「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持」するためにも、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の大幅な改正を求めるべきではないだろうか。射幸性を上げる改正を求めるのではなく、簡素化できる点は簡素化させ、新たな技術や発想を遊技機開発に活かせるような規則へと転換を図ってほしいものだ。遊技くぎが俎上に載せられた今こそ、こうした遊技機を巡る環境を変革させるいいチャンスなのではないだろうか。
 

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