広報の重要性と自主規制の有効性(遊技通信2016年10月号より)

前月号の本欄で触れたが、回収対象遊技機を期限までに撤去しないホールに対し、業界団体が一定のペナルティを課すと決めたことは、業界の自主的な取り組みに行政がさらに圧力をかけた結果である。
  
法令による強制的な措置に至る前に、自主的な取り組みで問題が収束されるのであれば、それはそれでいいことだと思える。しかし、今の遊技機の認定や検定を巡る状況の歪みが露呈した以上、業界団体は一連の取り組みと並行して、歪みを是正するための陳情なり話し合いをすべきではないだろうか。そうした話し合いがなされた形跡は、どうも見当たらない。
  
現在の遊技業界はさまざまな課題を抱えているが、それを少しでもすっきりさせるためには、二つの要素が必要だと思う。そのひとつは広報活動である。多くの方から、業界は社会貢献活動などのアピールが下手だという話を聞くが、業界団体や企業の広報の重要性は、自分たちにとって都合のいい時ではなく、むしろトラブルの発生時にある。トラブル対応を間違えたことによって、企業の存続にまで影響した事例は、ひとつ二つに留まらない。
  
今回の一連の回収問題でもそうだったが、なにか不都合が生じた時の業界団体の対応は、概ねだんまりを決め込むという印象が強い。これでは味方ところか、敵ばかりを作ってしまいかねない。自分たちに不都合な情報でも公開し、それでもなお理解を求める広報姿勢が必要ではないだろか。
 
かつてのように、それを伝える媒体は新聞やテレビだけではない。ウェブを用いて個人でもどんどん情報発信できるようになっている。多様化したメディアに対応した広報活動が必要な時代であることは間違いない。

もう一つは、自主規制である。遊技業界、特にホール業界から自主規制がほぼなくなって久しい。遊技機の総台数や種類別設置割合、損益分離割数、店休日など、多岐にわたる自主規制が以前は存在した。自主規制が機能していた時代と今との比較にどこまで意味があるかはわからないが、遊技人口の減少や市場規模の縮小とを関連付けてみると、自主規制の有無と関係があるように映るのは、はたして偶然なのだろうか。
 
例えば映画制作の業界では、映画倫理委員会、略して「映倫」という自主規制機関があるのは周知の通りだ。映倫は、「言論・表現の自由の確保」と「倫理の維持」を両立させることを旨とし、映画が健全な娯楽として大衆に親しまれ、社会の倫理水準を低下させることのないよう、映画倫理綱領をもとに映画の審査を行っている。
 
さらに青少年に対する影響を重視して、映画を四段階に分けている。委員は弁護士や大学教授など全て外部有識者で、独立性を担保していることも注目すべき点である。
 
映画制作と遊技機開発、遊技場経営は異なるとの指摘を受けそうだが、自主的な取り組みでもって法令の目的を補完するといった意味合いを考えると、業界でも必要な取り組みに思えてならないのだが、どうなのだろうか。
 
元々が風営法で縛られている中にあって、このところは規制強化ばかりが相次いでいる。「ぱちんこ営業の自由度」を維持・拡大させることと、「パチンコ・パチスロが健全な娯楽として大衆に親しまれ、社会の倫理水準を低下させることのないように」という要素を両立させるためにも、自主規制の有効性を考えてみてもいいと思う。

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