【コラム】心で感じろ!遊技機「音」バカ一代(第2回)

バナーサウンド
音量編:その①「ヤバいぞ! 音量95dB制限!」


サウンドって、開発してるといろいろな部署とのやり取りが多く、それが故に馬鹿げた事態に巻き込まれたり、訳の分からない修正依頼が来たりもする。そういうものの中で、ここ5年くらいで一番、衝撃的だったのが、「音量制限95dB」っていうやつだ。
 
あれは忘れもしない2012年。
 
この年の12月以降に申請をしたパチンコ数機種で、異常に音量が小さい機種がいくつかホールに導入されたのをご記憶の方もいるだろうか。これが95dBルールに則って導入された機種だ。
 
95dBルールっていうのは、約1メートル離れたところから音量測定し、MAX95dBを超えてはいけないという、まあ単純明快なルールなんだけど、実はこいつが非常に厄介なシロモノ。
 
そりゃ、社内で言われるようなことなら突っぱねることもできたが、95dBルールはそんな次元じゃなかった。パチンコ全体の規制なわけで、何がどうなってそうなったのか、自分には、よう分かりません。まぁ、その当時の遊技機の音の大きさについては、確かに「やりすぎてる感」はあったような気もするけれど。
  
で、じゃあ95dBって具体的にどれくらいなのかなんだけど、身近な騒音レベルで具体的にいえば、騒々しい工場や大型犬の鳴き声ぐらいの音量となる。まあ普段の生活なら「うるさいなあ」と感じるんだろうけど、パチンコホールっていう場所が場所だけに、これくらいの音なんてほぼ聞こえない。
 
そんなこんなで95dBルールを守って開発することになるんだが、これがいざ実際にホールに設置されるとなると、当たり前のことだけど、音が小さい。このルールができる前の台が隣にあったら最悪。もう全然聞こえなくなる。
  
このままじゃイカン! てことで、次からは、臨場感を出すことよりも、いかに効率的にプレイヤーの耳に届く音にするかを最優先に考え、サウンドを制作・調整することにした。
  
で実際にどうしたか。
調整方法は、

 〇複数の音が重ならないように優先する音以外は音量を落とす。
 〇雰囲気作りでつけていた環境音のような音は極力つけない。
 〇特定の帯域カット。
 〇位相をずらす。
 〇制作時にはいろいろな音を重ねまくっていたが、重ねる音数を減らして、聞かせたい「芯」の音だけにする。

というもの。これを感情を押し殺してやったわけだ。
 
それにしても、「音がうるさいのがパチンコだろ!」と、ちょっと昔の爆音パチンコに慣れ親しんだ人間ならそう思うはず。まぁこれも時代なのかなあ‥‥‥。95という数字は、この頃から嫌いになりました。
 
さてさて、この音量制限ルールの頃から、「騒音計」というものにお世話になるようになった。その名も「ONOちゃん」。正確な音量を計測してくれる頼れる奴だ。が、その正確さも時には残酷。
 
ONOちゃん! この時ばかりは若干の優しさを見せてほしかったぜ。

〈続く〉 


●河野 友希(こうのゆうき)/遊技機メーカーにてサウンド担当として在籍後、ダイコク電機へ転職。入社後、サウンドプロデューサーとして遊技機に特化した攻撃的かつ斬新な遊技機サウンドを数多くプロデュースし、多くの支持を集めている。
 

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