業界を理解する政治家はいないものか(遊技通信2017年4月号より)

今の遊技業界に携わる多くの関係者が、業の先行きが見えないことへの不安や苛立ちを抱えている。
 
我が国独自の遊びとして長く社会に定着してきたパチンコ・パチスロは、明らかに転換期を迎えている。先行きが不透明な原因をカジノに求める人は多いが、それは直近の出来事がカジノ問題に集約されているからであり、しかし一連の課題そのものはカジノ以前から指摘されていたものばかりだ。カジノは業界の転換を強く促す、最後のひと押しに過ぎない。
 
過去の行政講話で何度も指摘されてきたことだが、業界が抱えるさまざまな課題の根底には、社会と業界の間に存在する考え方の乖離がある。その乖離自体には気づいていたものの、方向性を大転換させるための踏ん切りをつけられないまま、各種の課題が膠着状態に陥った印象が拭えない。
 
業界と社会との考え方における乖離が著しいテーマといえば「遊技くぎ」と「賞品流通」だろうが、その乖離が「グレーゾーン」という言葉に示されており、しかしいつまでもグレーゾーンのままでいいという時代ではなくなっている。ここでいい解決策を見出さないことには、業界全体がハードランディングを迎えてしまう可能性を否定できない。そう考えると、先行きの不透明感が強いというより、暗い先行きしか見えないのが現状なのだろう。

遊技くぎ問題と賞品流通問題は、頭上の嵐が過ぎ去るのを待つ従来型の対応では、もはや乗り切ることはできないところまで追い詰められている。遊技くぎ問題は一昨年来、業界を大きく揺るがしてきた課題だが、業界団体は行政からの指摘事項への対応に追われ、根本的な解決を先送りしてきた。ホール営業における遊技くぎの日々の取扱いを法的に担保する作業ををせず、その責任を需給間、時には行政なども含めてたらい回し的対応ばかりをしてきたように映る。行政の指摘事項を優先させる必要性は理解するが、業に携わる現場の人たちを守るという視点が欠けている。
 
一方には、遊技くぎを取り扱わなくてもいい遊技機を待望する声もあるが、それはもはやパチンコと呼べるものなのかどうか。連綿と築き上げてきたパチンコの魅力を、そうそう簡単に放り出していいのかどうかは、慎重に見極めたいものである。
 
一方の賞品流通の問題については、刑法との関係を重視しなければならない点で、遊技くぎ問題とは対応が異なる。しかし、「ギャンブル等依存症対策」の観点からも、これもまずは業界が主体となって取り組むべき課題だ。刑法や風営法の解釈、行政による国会答弁などからすると解決方法がないわけでもないと思うが、いずれにしても痛みが生じる改革にならざるを得ないだろう。長期的展望で臨まないことには、解決しないテーマである。
 
こうした重い課題を解決するためには、これまでの行政や政治に対する向き合い方を変えなければならないかもしれない。古い業界関係者に聞くと、かつての業界団体のトップは、業界を守るために、時には政治の力を借りながら行政と交渉してきたという。そういう話を、今は聞かない。
 
今の政治にどれだけ期待していいものかは分からないが、離合集散を繰り返す野党議員のアクションに右往左往するのが業界の現状だ。行政への牽制という点からも、業界を真に理解してくれる政治家や有識者を見出す作業は、決して無駄ではないと思う。

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