求められるパラダイムチェンジ(遊技通信2016年12月号より)

一連の遊技くぎを巡る出来事の端緒となったのが昨年1月の行政講話だとすると、この問題はじきに2年が経過することになる。
 
その間、目まぐるしく発生する課題に対し、業界団体がその都度、懸命な対応していることは理解している。しかし、その対応は昨年は遊技くぎの角度や一般入賞口への入賞率問題、そして今年は回収撤去問題といった、即物的な事柄に終始している印象が拭えない。日々の営業と並行して対応する案件なので、現実への具体的対処方法の模索が優先されるのは当然だが、少なくとも業界団体は問題の根幹となった要素をいかに是正していくかという課題を担っているとも思う。
 
遊技場の現場にしてみると、今後の遊技くぎの取扱いに対する担保が欲しいところだが、これは未だに棚上げ状態だ。業界団体にある種の諦めがあるのか、あるいは逆に自信があるのかは分からないが、今の状態で業を営み続けることは、自店の社員やその家族を危険に晒していることと同義であることを理解すべきではないだろうか。
 
一方、直近の課題という点では、8月末を期限とした回収撤去において一部の遊技場が遵守しなかったことで、本年末を期限とする回収撤去の完全遵守へのプレッシャーが強まっている。しかし、ここで頭に入れておきたい要素は、一部の遊技場が8月末回収を遵守しなかった理由や、その背景ではないだろうか。
 
その理由は様々だろうし、そうした理由があってもきちんと回収に応じたホールが大多数であることを考えると、外さなかったホールの意見に耳を傾ける必要はないのかもしれない。が、この外さなかった理由、外せない理由は、今の業界が抱える課題を象徴するような気がしてならないのである。
 
ただし、逆の考えも頭から離れない。遵守しなかった遊技場へのペナルティを議論するのではなく、むしろ遵守した遊技場になにを与えることができるかを議論したほうが建設的ではなかったか、ということである。
 
どんなケースでも決め事を守らない人は一定割合いるものだと割り切り、今回の件でも行政が言う通り、風営法違反で摘発をしてもらえばいいだけなのかもしれない。その上で、遵守した側には、期限よりどのくらい遡って回収撤去したかで、異なるメリットを享受できるような仕組みがあれば、年内回収の様子も違うことだろう。いずれにしても、「正直者がバカを見る」仕組みからの転換は必要である。
 
本欄で何度も取り上げていることだが、我々が解決しないといけない課題は「遊技くぎ」と「賞品流通」であり、絶えず気にしなければならないのは「依存・のめり込み」である。「遊技くぎ」と「賞品流通」は仕組みの問題であり、法的に位置づけられれば解決するもので、だからこそ業界団体の行動力が求められるテーマなのである。
 
後者の「のめり込み」は、単なる仕組みの問題ではない。ある程度は、プレイヤーの自己責任で遊んでもらえる環境づくりが必要で、絶えずバランスに気を配る必要があるテーマだ。そこに求められるのは、過去の行政講話で指摘されている通り、「遊技の射幸性の抑制」だろうが、利益の最大化を狙うことが常態化した今の営業の延長で、それが実現できるのかどうか。
 
いずれにしても、パラダイムチェンジが迫っているのは明らかで、逆にいえばそれがない限り、今後も同じ問題で頭を抱え続けるように映る。

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