突飛でも自由な発想が欲しい(遊技通信2016年5月号より)

今年もまた、業界各団体の総会シーズンがやってきた。年に一度の定期総会には、事業年度の区切りとして気持ちを新たにするという意味合いもあると思うのだが、そこでは毎年、スローガンや宣言などで「プレイヤー人口の回復」が掲げられている。
 
確かに今の遊技業界における喫緊の課題であり、最優先で取り組まなければならない事柄のひとつだが、まるでお題目のように毎年掲げられるのは、長年に渡ってこれが達成されていないことを示している。
  
「プレイヤー人口の回復」と一口に言っても、現実問題としては「現在のプレイヤー人口の維持」と「休眠プレイヤーの回復」、そして「新規プレイヤーの開拓」とでは、対象が違う以上、それぞれ異なった対応策が必要になる。遊技業界がプレイヤー人口を減少させ続けている原因を考えてみると分かるが、「現在のプレイヤー人口の維持」と「休眠プレイヤーの回復」の施策は、場合によってはかなりの部分で相反する。
 
そのせいかどうか、ここしばらくの業界は「現在のプレイヤー人口の維持」にばかり力点を置いてきたのは周知の通りで、その結果が現状であることは言うまでもない。休眠層や未経験者層の開拓に取り組まない限り、業界の将来は先細りするのは自明のことだ。というよりも、この先細りが今、進行している現象であることは誰もが肌で感じていることだろう。
 
事態がここまでくると、一見すると荒唐無稽な案こそが正解なのかもしれず、まずはもっと自由な発想で考えてみるべきかもしれない。
 
マーケティングの世界には「需要創造」という用語があるという。文字通り、潜在顧客を掘り起こすために需要を自ら創造する手法のことで、例えば園芸用品の販売促進のためにガーデニングブームを起こしたり、「アルコールを飲みたいけど飲めない人」をターゲットとしたノンアルコールビールの普及などが具体的な事例として挙げられるそうだ。
  
業界にあてはめると、『パチンコ・パチスロをやってみたいと思わせる』ことで、潜在顧客を掘り起こすという考え方だろうか。今の遊技機は遊び方が複雑だと言われているが、なかなか是正しないのは周知の通りで、であるならばむしろ、これを完全なゲームとして捉え、そのスキルを競うような遊技機、例えば手打ち式や遊技くぎの配列を複雑にしたパチンコ機、あるいは、リールの回転速度を速くしたり、図柄を紛らわしくしたりして目押しの難易度を上げたパチスロ機などを使って、業界団体やメーカー主催の「競技会」を開催したらどうだろうか。
  
このようなマシンはホールに設置できるものではなく、競技会もホールでは開催できない。が、逆にいえば法令に合致していなくても開発製造できるため、発想の自由度が高まり、面白い仕様が出来上がるのではないか。
  
先月の当欄で紹介した「遊びの勤勉性」にも書かれているが、パチンコ・パチスロの特徴である「遊技者の技術介入性」をクローズアップし、「パチンコ・パチスロとはなにか」を考えることは、無駄な作業ではないと思う。
  
これからのパチンコ・パチスロに必要なのは、まずは休眠層や未経験者層に「やってみたい」と思わせる魅力、雰囲気、話題性といった、ある意味では感覚的な要素になる。スキルを競う競技会の実現は難しいかもしれないが、もっと発想を自由にして、様々なことに踏み込んでいきたいものだ。(遊技通信2016年5月号より)
  

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