自らがなりたい姿は自らが考える(遊技通信7月号より)

遊技業界に特化した専門媒体を発行している仕事柄、原稿執筆や講演をさせていただく機会が少なくない。

縮小傾向が長く続く現在の環境のもとでは、業界の先行きに不安を感じる方が多いのはもっともで、様々な考えに接することで、現状を整理するとともに将来の見通しを探りたいという思いがあるのだろう。
 
とはいえ、筆者は専門のコンサルタントでもないし、学術的な分析に長けているわけでもない。

それぞれの状況を要素ごとに分解することで、何かしら本質的な部分を見出そうとする作業を繰り返しているに過ぎない。
 
そうした作業を行う上で、ありがたいことに、弊社には昭和二十六年の創刊号からのバックナンバーがある。

また、企業や団体から献本いただいた記念誌なども、保管場所に困りながらも、できるだけ保存している。

こうした資料は一連の作業の大きな助けになっており、これもひとえに、読者諸兄やクライアントの皆様の助けが六十年以上あったからこそだと感じている。
 
講演や本誌以外での原稿執筆については、弊社の先代や先々代も同様の依頼を受けることが多かったようで、古くから親交のある業界関係者の方々からは「やはり、親子は同じような喋り方をするもんだね」などと、妙な感心のされ方をされることもある。

そうした、業界の諸先輩から貴重なお話を拝聴する機会にも恵まれていることも本当にありがたく、遊技業界で代々お世話になっていることを実感する。

 

講演のための資料作りなどで業界の歴史を紐解き、その発展や停滞の繰り返しをみていると、それこそ歴史的な大きな流れを感じることがしばしばある。

しかし、いざ講演を行う際に注意しているのは、その歴史はその時々の業界に携わる方々による行動の結果だということである。
 
現在の業界では、「ファン人口の減少」が最大の課題だということは、業界関係者の共通認識だろうが、たとえばこれをスマホの普及が原因だとする見方がある。

確かに多くの人がスマホを手放せない生活を送っており、若者に限らず時間とお金がそこに費やされているのが現実だろうが、他の娯楽などを放棄するまで嵌り込んでいるユーザとなると少数に過ぎない。今の苦境はスマホによるものではなく、業界側の失策あるいは無為無策によってファン人口を減少させているのだと考えるべきであり、その共存策が未発達であったり、自分たちが楽しい遊技を提供していない結果と捉えるべきではないか。
 
今のパチンコ・パチスロが、どういう点でファンの離脱を招いているのか、産業構造的な分析を行い、業界が正すべきポイントは自ら正し、正すための足かせになっている要素は正当な理由をもって行政に要望する。

そうした作業を怠り、今の業界の停滞・衰退を時代のせいにしているだけでは、諦観しか生まれないのは当然だろう。
 
講演後、「それで、我々はどうしたらよいのか」という質問を受けることがある。

おそらく今後進むべき方向性を示唆してほしいということだと思うが、これに明快な回答をすることは難しい。

無責任な言い方になるかもしれないが、自分がなりたい姿は自分でしか考えられないものだろう。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED POST関連する記事

NEWSニュース

  • 業界団体
  • メーカー
  • ホール
  • 関連企業
  • 新機種
  • 行政
  • 事件
  • イベント
  • セミナー
  • インフォメーション
  • 就職・転職
  • クリエイター向け情報
  • その他

PICKUP CONTENTSピックアップ

保通協イメージ

パチスロ、パチンコ適合率がともに今年の最高値を記録、パチンコ適合率は50%超え

2019/6/3

月間遊技通信最新号

遊技通信2019年6月号

2019-6
主な記事:

平成から令和へ、元号をまたぐ初の10連休
超大型連休の好業績に光明もあらためて浮き彫りになる課題

詳細を見る

税込価格:2,160円 (本体:2,000円)
発売日:2019年5月25日

  • 遊技通信 公式サイト
ページ上部へ戻る

Copyright c パチンコ・パチスロ、業界ニュースを配信 遊技通信web All rights reserved.