行政の意向を知る判断材料(遊技通信2015年9月号より)

このところ、講演の場などで業界の先行きについて意見を求められることが多い。意見といっても、遊技くぎ問題や再来年の春に控える消費増税などで、具体的な対応策を聞かれているわけではない。行政の意向が業界の在り方を大きく左右する要素が大きくなってきている今、一連の指導はどこに向いてどのようになされるのか、という事柄への関心が高いようだ。
 
仕事柄、社内には各種の資料があるが、こうした問題を考える際にまず有用なのは、業界団体に向けた行政講話や文書である。これは、業界各団体の周知体制が整った今では、誰でも目にすることができるものだ。ここでは、今の行政が業界のどの点を問題視しているのかが明白に示されている。
 
以前の本欄でも触れたが、かつてとは違い、行政講話は決して言いっ放しでは終わらない。そのことを念頭に読み返すだけで、業界側が実効性の伴う施策が展開できなかった場合は、どのような具体的指導が待ち受けているかを想定することができる。
 
次いで有用なのは、行政担当官およびOBが執筆する論文や書籍の類いだ。これもまた、入手しようとすれば可能なものばかりで、こうした資料からは、その指導を行う理由や、社会的背景などを読み取ることができる。
 
そして、仕事でお会いする行政OBからのご意見。行政の意向や意図、その期待する効果を見識の高い人に分かりやすく解説してもらうと、より理解が深まる。各県遊協の専務理事も含め、皆さん、同じことを言っているわけではないが、様々な見方、意見に接しているうちに腑に落ちることがあり、拝聴するたびに参考にしている。
 
つまり、行政の動向を探る上での判断材料は、目の前にあるもので十分だということだ。ここでは、業界関係者が好きな、刺激的だが真偽不明のウワサ話や、深読みしすぎた独自の解釈は判断の邪魔になると割り切った方がすっきりする。
 
最近の行政講話では、射幸性の抑制を最重要課題として打ち出されているが、それに向けた業界側の施策が思うように展開されない時、行政側の苛立ちはどういう形で出てくるか。より細かい指導になるのと並行して、長年に渡って放置されていた遊技くぎ問題や賞品流通問題のような、根本的な課題があらためて浮上するのは当然の流れだ。今、遊技くぎ問題で業界は右往左往しているが、賞品流通問題で同様の原則論を持ち出された場合、それに耐えられる状況なのかどうか、考えておくべきではないだろうか。
 
この二点は、現場での運用方法が優先され、法令による原理原則との整合性を取る作業が後回しにされてきたテーマでもある。行政の不作為を指摘する声も聞くが、当の業界側がそれを言うわけにはいかない。むしろ、指摘されるべきは業界団体の是正に向けた取り組み姿勢の欠如であり、結果、「そんな既得権は存在しない」と、業界側にいつでも突き付けることができるカードを、行政側だけが持つという状況を生み出しているように映る。
 
今は遊技くぎ問題を突き付けられ、業界はその落とし所に困っている。賞品流通問題を同様の展開にしないために何をすべきか。行政講話では、営業者側が論じたり考えたりすることに釘を刺されたが、現実面で捉えるとホール側が主体にならないと話は進まないテーマだ。むしろ、ホールや流通業者、そして行政が一緒になって論じたり考えたりするべきではないだろうか。(遊技通信2015年9月号より)
 
 

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