転換期だからできる施策展開を(遊技通信2017年3月号より)

IR推進法案の成立に際して附帯決議が付されたことは既報の通りだ。附帯決議とは、法の施行にあたって政府が留意するよう立法府として釘を刺すものである。
 
今回のIR推進法では、依存症対策で「ギャンブル等依存症患者への対策を抜本的に強化すること。我が国におけるギャンブル等依存症の実態把握のための体制を整備するとともに、ギャンブル等依存症患者の相談体制や臨床医療体制を強化すること。加えて、ギャンブル等依存症に関する教育上の取組を整備すること。また、カジノにとどまらず、他のギャンブル等に起因する依存症を含め、関係省庁が十分連携して包括的な取組を構築し、強化すること。」という附帯決議が付された。これを受けて早速、「ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」が首相官邸に置かれ、すでに会合が重ねられているのも周知のことだろう。
 
推進法の成立を受けて、今後は一年以内にIR実施法が制定されることになるが、ギャンブル等依存症対策法案はそれに先んじて国会で議論され、成立を図る運びだ。各省庁もタイムスケジュールに沿ってそれぞれ動きはじめており、うち、警察庁はパチンコ・パチスロにおける依存対策を形にしていかなくてはならない。
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業界団体の関係者の間では、こうした議論に際して、パチンコ・パチスロは「遊技」「大衆娯楽」だとして、ギャンブルと一線を画していくべきだという意見が大半のようだが、世間の認識との乖離が大きいまま、それをあまり前面に押し出すのはどうなのだろう。それは全くその通りなのだろうが、法的な位置づけを訴えれば訴えるほど、法に厳密な運用を余儀なくされるのは当たり前で、しかし今の業界がその圧力に耐えられるのか。
 
パチンコ・パチスロはプレーヤーをのめり込ませてしまうほど魅力的な「射幸性の伴う娯楽」である。というよりも、のめり込ませる要素がなければ、そもそも成り立たない。それ以上でもそれ以下でもないというスタンスで、社会といい具合の折り合いを見い出していきたいものである。
 
また、一部では問題プレイヤーの入場制限や金銭の使用制限を店舗に課す方法が取り沙汰されているようだが、それが最善策なのかどうかも慎重に見極めたい。疲弊した今の業界が、設備投資が伴う強制的なインフラに耐えられるのかどうかは、かなり怪しい。仕組みによっては、パチンコという遊びの「身近さ」「手軽さ」を失う可能性も頭に入れなければならない。
 
今の業界がまず優先すべきは、パチンコ・パチスロで遊ぶ時の、所要時間や投入金額の基準を策定する議論ではないだろうか。新たな時代の遊技スタイルを目にみえる形、わかりやすい形で示すためにも、「射幸性を伴う娯楽」としての目安の提示は、非遊技者が持つ負のイメージを多少なりとも払拭することにもつながると思う。
 一方で遊技くぎの取扱いや賞品流通の仕組みなど、これまで棚上げしてきた案件への対応も求められる。これが難事だと考え、ここでも解決を先送りにしていては、世間が抱いている不透明さはいつまで経っても払拭できないに違いない。
 長く日本の社会に定着しているパチンコ・パチスロという遊びは、今、明らかに転換期を迎えいる。そして、業の疲弊は黙っていても日に日に蓄積される一方だ。転換期だからこそ進められる事柄があるはずだと思う。

 

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