量定基準の改定が意味するもの(遊技通信2015年5月号より)

警察庁が先般、行政処分の量定基準を改定し、現金等提供禁止違反と賞品買取り禁止違反の量定を引き上げた。検挙件数や行政処分件数が増加傾向にあることへの対応というが、ぱちんこ営業における賞品流通の在り方について、行政がナーバスになっていることを窺わせるものだ。
 
昨今の行政講話では、賞品に関する部分は「賞品買取り」「賞品の取りそろえ」「適切な賞品提供」の三つに分けて、それぞれ現行法令の遵守を繰り返し要請している。カジノでは「現金」でも、ぱちんこでは「賞品」だという強調であり、今回の措置もまた、カジノとぱちんこは違うものだという、一種の峻別作業を推し進める一環と捉えるべきかもしれない。
 
遊技業界の喉元に刺さった小骨は、以前は賞品流通問題だったが、しばらく前からこれに遊技くぎ問題が加わり、今では「依存・のめり込み」も加わっている。筆者はこれまで「賞品流通」と「遊技くぎ」について、法律が求める状況と現実とのズレを解消するには、業界側が律する部分と法律面で歩み寄ってもらう両方の要素が必要だと考えていた。これらは、業界独自の問題だと思っていたからである。
 
ところが、カジノ合法化議論に伴って、遊技業界の各種課題が俎上に載せられることが多くなってくると、一般マスコミがよく取り上げる「依存・のめり込み」と同様の視点で「賞品流通」や「遊技くぎ」も対応する必要があると考えるようになった。
 
行政は風適法の範疇にあるパチンコ・パチスロと、新たに法整備するカジノは全く違うものだという前提に立つが、そうなると一般マスコミも含めた社会は、「では何がどう違うのか」という対比を行う。対比である以上、もはや業界独自の課題ではない。
 
そしてまた、その対比に耐えられるようにするためには、行政からするとぱちんこ営業者には曖昧さを排除した法令遵守を求めるしかない。
 
賞品流通問題では、暴排や防犯の観点も含めた仕組みづくりが行われた結果として今があることは、古い関係者であれば知っていることだ。いくら否定しようと、時には行政も関わって構築したものであり、そのため業界側にはこれを既得権と考える人が少なくない。ところが、昨年の行政講話では「営業者が買取行為の仕組みを考えたり、論じたりすること自体が、そもそも風営適正化法の趣旨に反する」と踏み込まれた。一部が思ってきた既得権などどこにもないことが示され、この「慣習」の根拠は弱まった。
 
こうした状況下で、この課題を現状のまま放っておいていいのかどうか。というよりも、放っておけるものならそれでもいいが、そうはいかない状況に追い込まれているのではないか。
 
当面は現行の法令や判決を元にした基準などを遵守していくことで凌げるかもしれないが、それでも社会の視点からすると根本的な解決ではないことは明らかだ。かつては社会が許容していたが、今ではNGとする事例は世間には数多く存在しており、ぱちんこ店における賞品問題もそのひとつになっているのではないか。
 
カジノ問題がある以上、ギャンブル否定派によるパチンコ業界への問題提起は続く。日本固有のギャンブル型レジャーを守るためには、仕組みの再構築が必要なのではないだろうか。

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