2024.12.9

【特別寄稿】ハイスペックタイプのコーナー化

前回の寄稿記事では、主にラッキートリガー搭載機における

・ファンが感じる遊技性
・2400発機が持つポテンシャル
・ファンが求めるスペック帯

に注目した傾向を紹介しました。

さて、年末に入り、来年3月販売機種の商戦が始まっています(販売スパンが徐々に早くなっている気がするのは私だけでしょうか?)。

リリースされる機種は、来年2月販売機種に引き続き、

・ハイと呼ばれる図柄揃い確率1/399タイプ(それ以上も含む)
・王道のハイミドルタイプ
・根強い人気があるライトミドルタイプ
・甘デジ

が予定されています。

その中で、来年3月以降もいくつかのLT機が登場してきます。販売目標と実際の売れ行きがリンクしていない昨今ではありますが、概ね8割が購入されたと仮定すると、スペックのシェアに変化が出てきます。

以下は、直近の4円パチンコにおけるスペック別シェアです。

 

参考までに、スペック帯の定義は、

ハイ:1/320以上
ハイミドル:1/280~1/319.9以下
ミドル:1/200~1/279.9以下
ライトミドル:1/120~1/199.9以下
ライト:1/119.9以下
その他:上記に含まれないもの

としています。

そして、表の中に赤字で示したスペック帯の「ハイ」ですが、各メーカーの主要機種がこのスペック帯で今後もリリースされてきます。

少し前までは、リリース機種のメイン機はハイミドル(設置シェアも大きい)でしたが、徐々にハイに属する機種が増えているので、スペック帯を明確に分けたコーナー作りをしてファンに訴求する事が重要になってきます。

ホール側としては当たり前のように分かっていても、ファンは意外と気づかない事が多いのが実情です。そして、ハイミドルとハイの機械では挙動も違ってきます。当たり前ですが、この点についてもファンに知らせる必要があるのではないかと思います。

また、遊技機を管理する側の店も、コーナー分けをしておかないと徐々に営業面で影響が出てきます。今のように「LTラッキートリガー」等のPOPだけではファンが抱くイメージと乖離してしまい、上手くファンに訴える事が出来ている店と大きな差が生まれます。

今のハイミドルは「大海物語」や「エヴァ」「北斗暴凶星」もあり群雄割拠です。

今後の新台としてLT搭載がメインになるであろうハイスペックの台数設置割合は、徐々に増えていくことを予想して、おそらく20%ぐらいが直近に求められる数字になるだろうと思っています。そして、それをラインナップ化するにあたり、特定の機種だけに寄せた店作りをする事は今の段階では危険だと思われます。全体のシェアが低い中で特定の機種に寄った店作りは成功すれば良いのですが、失敗するとダメージは大きいです。

それを防ぐ為には、まずは数機種ずつを数台に分けたコーナー作りを行い、特定の機種に偏った商品戦略でない機種構成にする事が最終的にホールにとってプラスになるのではないでしょうか?

4円パチンコの客数が減りつつある中でファンの好みも多極化している事は、我々のファンアンケートでも感じられるようになっています。特定の機種にまとめる戦略もアリとは思いますが、数台を数機種ずつの設置というスタイルでコーナー化を図り、一辺倒なイメージを回避する事を推奨したいと思います。

 

【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)

株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。

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