2024.11.22

【PKMS機種評価コラム】2,400発LT機が目指す未来

2024年3月~導入が始まったパチンコのラッキートリガー(LT)。これまで様々なTSや仕組みを持たせたLT機が登場し、突入時の出玉もSNSで拡散されたりしています。

これまで「北斗の拳強敵」や「緋弾のアリア」「天才バカボン」から始まり、「大工の源さん超韋駄天」、「バイオハザード」「まどマギ」「貞子」など… 様々な機種が好業績を記録した半面、デビューしても支持を受けずに短命に終わった機種もあった中で、一定数の支持を受けたのではないでしょうか?

そんなLT機ですが、最近話題になっている機種に2,400発を搭載したスペックがあります。

当たり前ですが、旧規則機のように16ラウンドを搭載して2,400個を出すスペックではなく、1,200発を即連させて2,400発を再現した機種としてリリースされる予定になっています。

ここで、2,400発機というと、「Pサラリーマン金太郎 FMY」や「Psin七つの大罪V3B」といった機種がこれまでにもありました。

ただし、どちらもALL2,400発というわけではなかったので、「金太郎」だと300個当りを取らせずに1,200個を引くまでに時間がかかったり、2,400個の振り分けが低くて結果的に体験できずに終わったなど、やはり支持を得られることはありませんでした。さらには、3,000発機に見劣りするといったことも支持を得られなかった理由のひとつにありました。

ところが今年になって総量出玉の計算方法について変更があり、2,400発機を再現したような、LTに入れば全て2,400発という破格の出玉に見えるようなスペックで登場することになりました。

すでに発表済みの機械では、京楽さんの「e ULTRAMAN」、大一さんの「e閃乱カグラ」、サミーさんの「e蒼天の拳羅龍」があり、それぞれスペックに若干の違いがあるものの、新たな境地を開くために市場に投入されることになります。

ではここで、それぞれの遊技機がどんなポテンシャルを持っているのか? について見ていきます。

上の一覧を見てもらうと、「ULTRAMAN」は図柄揃い確率が甘い分だけ、LTはRUSHに入れてから10%の振り分けを引くか、もしくはもう一度大当りを引く必要があります。逆に、「閃乱カグラ」と「蒼天の拳」は初当りの振り分けで決まるタイプになっています。仕組みが違うので、分かりやすい数値にしたのがLT突入確率になります。

また、「閃乱カグラ」と「蒼天の拳」は初当り時にLTに入らない振り分けだった場合、時短に突入します。それを加味したのが、合算LT突入率になります。

比べてみると、「閃乱カグラ」と「蒼天の拳」は数値に若干の違いがあるものの、一概にどちらが良い悪いと言い切れる要素がありません。

ただ、初当り時の出玉は、RUSHやLTに入らず時短でも引き戻せなかった場合に、継続して打ったとすると次の大当りまでの回転数(大当りの抽選回数)や打ち込んだ後の投資までの時間にも影響します。そうなると「ULTRAMAN」よりは「蒼天の拳」ということになりますし、「蒼天の拳」よりは「閃乱カグラ」となります。

ファンの遊技嗜好もあるので一概に言い切ることはできませんが、誰でも当たったら一番上のRUSHに入れて勝ちを狙うのは共通事項といえますし、図柄揃い確率とLT突入率、時短引き戻し率などを加味した上で、またコンテンツも考慮した上で遊技機を選定し着席しています。

では、似たスペックである「閃乱カグラ」と「蒼天の拳」を比べる上で、遊技機選定の要素であるコンテンツ別の実績を比較してみます(どちらも、パチンコとパチスロで市場に出ているので、両方を記載します)。

正直なところ、飛び抜けた業績を残しているとはいえない(笑)コンテンツなのですが、どちらかと言えば「閃乱カグラ」かな~とも見えます。

もちろん、設置台数や時期、価格、営業方法の違いなど単純比較できない理由もありますが、ファン目線からすると「閃乱カグラ」の方が支持される傾向が見えます。

ということで今回、2,400発機が出ることからその特徴を比較してみました。

飛び抜けた要素はありませんが、どちらかと言えば「閃乱カグラ」が良い気もします。パチンコの支持率が下がる中、ファンに支持されるジャンルになれば、と願ってペンを置きます。

 

【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)

株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。

 

 

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