のぞみ総研は4月13日、ホール経営者のための風営法リスク対策の勉強会をリモートで開催し、最近の摘発事例を元にしたディスカッションを行った。
勉強会で同社の日野孝次朗氏は、この数年のホールにおける風営法の摘発事例をあらためて例示し、その捜査対象者が多数に及んでいるほか、くぎ曲げと自家買いがセットで摘発されている傾向を指摘。その上で、社員に風営法の違反リスクを理解させる研修を行ったり、違反がないよう本社のチェック機能を強化するなどの一般的ともいえるホールの対策について、「それで本当にリスクが回避できる状況ではないのでは」と疑問を呈した。
また、日野氏は「関係者からの情報提供」があって事件が発覚したというケースに触れ、公益通報者保護法による「不利益取扱いの禁止」との関連リスクに言及。不祥事を起こした社員を処分しようとした際、当該社員が制度を使ってなんらかの内部告発をした場合は、会社側のリスクに転じてしまう構図にあることに危機感を示した。
勉強会では、一部の参加者から自社の対応事例の紹介があったものの、同種の摘発事例に対するリスクヘッジで有効な手法が見出しにくい状況にあることが示された。これを受け日野氏は、「こうした経営の根幹に関わるリスクを経営者の方々にあらためて考えていただくことが非常に重要だと思う」とし、「なかなか本音で語ることが難しいテーマだが、例えばこの4月から義務化された中小事業者のパワハラ防止でも風営法上のリスクと密接な関係があり、業界で取組む広告宣伝の規制にも課題はある。そういうリスクを語る場が今の業界にないのであれば、今後も我々で勉強会を開催してみようと考えている」と述べ、参加を呼びかけた。