2019.1.11

【コラム】心で感じろ!遊技機「音」バカ一代(第23回)

バナーサウンド
第23回 蝉の人生



突然ですが、セミの人生って儚いっすよね~。土の中で何年も生きて、ようやく成虫になったら1週間たらずで死んでしまう。

そのセミの人生はパチンコ開発にも通ずるものがあると私は思う。
私はよく「セミ台」という言葉を使う。流行らせようとしているが、中々流行らない。
セミ台とは…
長い年月をかけて汗と血と涙を流しながら開発を続け、ようやく導入(成虫)された途端、早期に稼働しなくなり、誰も寄り付かなくなる儚い遊技機のこと
 
遊技機開発に携わっていると結果、セミ台になってしまうことも少なくない。
新台として導入され、ネットの掲示板で叩かれたり等、良くも悪くも話題になるなら、まだいいのだが、何もなくひっそりと導入されたが、近所のホールにも導入されなかったため、稼働貢献すらできず、ひっそりと稼働しなくなるのは結構つらい。
 
掲示板だけでも盛り上げるべく、自身で書き込んでやろうかと何度思ったことか(実際には書き込んでいない)
サウンドとしても長期間稼働させるべく色々な努力をしている。
・長時間遊技してもいいように耳触りな周波数帯域をカット
・何をしゃべっているかわからないのはストレスなため、ボイスはハッキリと聞かせる
・信頼度が低い演出には派手な音はつけず、アツい演出との差別化を図り、聴感だけで期待度合が分かるようにする。
 
まぁサウンドだけがどんなに頑張っても稼働がめちゃくちゃ伸びるとは思わないが、音が良いから稼働したといつか言われるのを夢見て頑張っております。
 
さて次回が最終話!最後まで気合いれていきまっせ

〈続く〉


●河野 友希(こうのゆうき)/遊技機メーカーにてサウンド担当として在籍後、ダイコク電機へ転職。入社後、サウンドプロデューサーとして遊技機に特化した攻撃的かつ斬新な遊技機サウンドを数多くプロデュースし、多くの支持を集めている。

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