2019.1.22

全日遊連の全国理事会における警察庁保安課 山田好孝課長講話全文

全日遊連は1月18日、都内新橋の第一ホテル東京で全国理事会を開催した。席上、警察庁保安課の山田好孝課長が行政講話を行った。
以下、講話の全文。


ただいま御紹介にあずかりました警察庁保安課長の山田でございます。
皆様方には、平素から警察行政の各般にわたりまして、深い御理解と御協力を賜っているところであり、この場をお借りして御礼申し上げます。
ぱちんこ業界の皆様におかれましては、東日本大震災や熊本地震の発生以来、継続して取り組まれている復興支援活動をはじめ、昨年は、西日本での豪雨災害における被災地支援活動に取り組まれたほか、北海道胆振東部地震に伴う電力不足による節電要請につきましても、迅速かつ真摯に対応していただいたと承知しています。加えて、低炭素社会実行計画に基づく節電・省エネルギー対策等の社会貢献活動にも積極的に取り組まれていることに対しましても、改めて敬意を表する次第であります。
 
さて、ぱちんこは、我が国の代表的な娯楽産業として親しまれておりますが、依然として、ぱちんこへの依存問題のほか、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝等が後を絶たず、健全化を阻害する要因がいまだ多く存在することも事実であります。特にぱちんこへの依存問題については、国会や報道等においても大きく取り上げられるなど、国民の高い関心を集めております。
貴連合会を始め、業界の皆様におかれましては、業界が置かれている厳しい現状について危機意識を共有していただき、適切かつ着実に取組を進めていただきたいと思います。
さて、本日はお時間をいただきましたので、業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることを何点かお話をさせていただきます。
 
最初に、ぱちんこへの依存防止対策についてお話しします。
 
ぱちんこを含むギャンブル等への依存問題については、平成29年8月にギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議において、「ギャンブル等依存症対策の強化について」が決定されたこと等を経て、昨年10月には、ギャンブル等依存症対策基本法が施行され、ギャンブル等依存症対策に係る国、地方公共団体、そしてぱちんこ営業者の皆様を含む関係事業者等の責務が明らかにされたところであります。
関係閣僚会議での決定において、「出玉規制の基準等の見直し」、「営業所の管理者の業務として依存症対策を義務付け」等がぱちんこへの依存防止対策の課題として掲げられたこと等を踏まえ、昨年2月、出玉規制の強化や管理者の業務への依存防止対策の追加等を内容とする風営適正化法施行規則及び遊技機規則の改正が行われました。
管理者の業務への依存防止対策の追加については、現在、営業所で行われている各種の自主的な取組が、管理者の業務として法令上義務付けられております。営業所の管理者の皆様にあっては、
・ リカバリーサポート・ネットワークの営業所内外における周知
・ 自己申告・家族申告プログラムの導入
・ 過度な遊技を行わないよう客に対する注意喚起の実施
・ 18歳未満の者の営業所立入禁止の徹底
等のぱちんこへの依存防止対策を各営業所において確実に実施していただくようお願いします。例えば、自己申告・家族申告プログラムについては、現在約2,200店舗が導入していると承知しておりますが、同プログラムを導入していない店舗にあっては、依存防止対策への取組姿勢が問われることになるということを認識していただきたいと思います。また、18歳未満の者の営業所への立入禁止についても、先程の「ギャンブル等依存症対策の強化について」でも「18 歳未満の者と思われる者を把握した場合は年齢確認を行う」こととなっています。こうした取組が行われなかったために、18歳未満の者の立入りが認知された場合には適切な取締りを行う必要があるものと考えています。改めて、取組に遺漏のないようにお願いします。
また、関係閣僚会議の決定では、風営適正化法施行規則等の改正以外にも、業界において取り組むべき各種課題が掲げられているところであり、既に業界において積極的に取組を進めていただいていると承知しています。
たとえば、「リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充」については、引き続き、業界を挙げての支援をお願いしたいと思います。また、「ぱちんこ営業所における更なる依存症対策」については、ぱちんこ への依存防止対策の専門員として、営業所に「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」を配置する取組を貴連合会が中心となって開始し、これまでに30,000 人以上の方が同アドバイザーの講習を受講されたと承知しています。今後、同アドバイザーがその役割をしっかりと果たすことができるよう適切な運用を図っていただきたいと思います。

このページの内容をコピーすることはできません