2021.10.20

【緊急レポート】旧規則機の排出は計画的に! ユーコーリプロのHPで「メーカー買取」の確認を

 

 残り4カ月で100万台超の旧規則機の撤去

改正遊技機規則の経過措置期間に新型コロナ禍の直撃を受けたパチンコ業界。その救済措置として、警察庁が昨年5月、旧規則機の撤去に係る経過措置期間を1年間延長したのは周知の通りである。

これに関連して、いわゆる「21世紀会決議」の見直しも行われ、新規則機市場への移行ができるだけソフトランディングになるよう現実路線が採られているが、その後のホールにおける新規則機の導入は必ずしもスムーズに進んでいないのが現状だ。段階的に新規則機比率を高めていく新しい21世紀会決議では、今年の4月末における新規則機の設置比率を60%に設定し、来年1月末まで毎月5%ずつ積み上げていくという「新目標」を掲げたが、その進捗状況(下図表:新規則機の設置比率推移)をみると月が経つごとに目標値から乖離。この9月末は80%の目標に対して72.2%に留まった。パチンコはほぼ目標値に沿ったラインを描いているが、一方のパチスロは目標値から20ポイントも下回ったままだ。結果、この時点で市場に残る旧規則機はパチンコ機が約47.2万台、パチスロ機が60.6万台の計107.8万台。このボリュームの旧規則機を、残り4カ月に迫った来年1月末までに入替えなければならず、かなりタイトな展開になっている。

 

 

 倉庫保管分含め推計160万台の旧規則機

こうした100万台レベルの旧規則機の撤去と、それに伴う新規則機への入替えをいかにスムーズに行うかは、今のホールにとって喫緊かつ最大のテーマだが、業界にとってこれに付随する大きい課題が、旧規則機の適正処理問題だ。しかも、今後、適正な処理が求められる旧規則機はこの市場で動いている100万台だけではない。

全日遊連が行った遊技機保管状況調査(下図表:遊技機の保管状況調査)によると、ホールの自社倉庫や販売商社、運送業者などに保管されている「5月末時点で検定・認定切れの旧規則機」は、パチンコ、パチスロ合わせて計41万台。アンケート調査の未回答分を含めると、推計で50万台レベルの「検定・認定切れ機」が倉庫で眠っていることになる。各社の倉庫には、検定や認定の有効期間が残っている遊技機も相当数が存在することは間違いなく、これらを単純に足しただけでも約160万台超の旧規則機が残っているということだ。

残り4カ月に迫った来年1月末の撤去期限後にこれらが一気に排出された場合、適正処理が可能なキャパシティを超える可能性は高い。「160万台の旧規則機」というボリュームはそれだけ大きいものであり、行き場をなくした排出遊技機は不法投棄や野積みのリスクに晒される。業界としてはこうした事態に発展することを避けたいところだ。同種の事案が発生した場合、これまでは業界全体に与えるマイナスイメージの懸念が指摘されていたが、これまでは供給側団体などが主体になって野積み問題への対応を受け持ったことで、実はそのマイナスイメージも最小限に抑えられてきた。逆にいえば、業界団体が処理の実務や費用を負担してきたことで、個々のホール企業が本来持つべき責任というものが軽くみられている印象が拭えない。

 

 急がれる「排出の分散」

排出遊技機の適正処理に支障をきたし、万が一の事態が発生した場合、今後も「業界全体の責任」として供給側団体等が受け持つ後処理の方法になるとは限らない。日遊協の広報誌によると、業界団体の関係者の間では「野積が発生した場合の費用負担については、ホール側の負担も考えざるをえない」という意見が根強いことに触れている。もとより、不法投棄された遊技機については排出事業者が除去等の責任を負うケースもあり、そしてまた、遊技機は各所に記されているシリアルナンバーからその排出事業者の特定が可能な製品でもある。いずれにしても、大量に排出される旧規則機の行き先については、ホール側が「当事者意識」を持たなければならないテーマだ。

一方で、1月末に旧規則機の撤去が集中することは、どうしても避けられない情勢になっている。そうした状況下で、不法投棄や野積みのリスクを軽減させるには、今のうちからの「排出の分散」しかない。特に、倉庫に眠る41万台の「検定・認定切れ機」は早急に排出したいところだ。

 

 買取強化期間中の排出で倉庫に余裕を

これまで、ホールが自社倉庫に検定や認定の有効期間が切れた旧規則機を大量に抱え込んでいた背景には、大きくわけて2つの要因があった。ひとつは経過措置の延長などで経験した「ひょっとしたらまだ使えるのかも」という期待感。そして、パチンコ機における枠の保管、確保だ。

しかし、経過措置期間の残りが4カ月を切った現状で、さらなるレギュレーションの変更は考えづらく、ましてや一度、検定や認定の有効期間が切れた遊技機の復活はありえない。また、枠の確保についても、日工組は10月1日からホームページ上で旧規則遊技機枠で現行の新規則遊技機では使用することができない遊技機枠情報の掲載を開始。各社の枠の名称を明記し、その枠で使用できる機種の販売予定がないことを告知しており、「保管しておく必要がない機種」が明確になっている。検定・認定切れのパチスロ機はなおさらで、今後、控える集中撤去時に必要になる一時保管のスペースが、こうした不要台で埋められていては、各種の作業に支障をきたす可能性もある。

今、ホール側が不要台の分散排出を行うメリットはもうひとつある。メーカー各社がまさに旧規則機の買取強化期間中にあることだ。野積みや不法投棄を防ぐ意味合いも含めて、ホール側の旧規則機の排出をスムーズに行うためのものだが、これには、世界規模で深刻化する半導体や電子部品の不足によって、リユース目的の適正処理に対するニーズの高まりも関係しているのだろう。そうしたメーカー買取の情報は、全国をカバーし、国内3拠点で工場を展開し、使用済み遊技機の処理を行っているユーコーリプロのホームページに掲載されている。

メーカー各社の買取キャンペーンは期間が限られている。同社のホームページを参照しながら、現状の倉庫の整理や今後の撤去遊技機の排出計画など、バックヤードの効率化を図ることで、完全新規則機市場に対応する準備を整えておきたいところだ。

 

■ユーコーリプロのホームページ http://www.yuko-repro.co.jp/

 

このページの内容をコピーすることはできません