遊技くぎ問題は収束に向けた展開か 具体的な撤去内容に焦点が移行(遊技通信2016年2月号より)

読売新聞、毎日新聞が報道  テレビ等、マスコミが取り上げる

そうした業界内の対立を尻目に、並行して複数のメディアが業界団体等に対して遊技くぎ問題について取材を進め、なかでも読売新聞と毎日新聞は12月24日という、6団体声明が発表される前日に大きく紙面を割いて取り上げた。
 
読売新聞は、「パチンコ台『くぎ曲げ』横行 数十万台自主回収へ」と題し、紙面の3分の1を割いて、遊技くぎ問題に関するこれまでの経緯を解説するとともに、警察庁の早期撤去の要請に対して、日工組が2016年1月以降、数十万台に上る大規模自主回収に乗り出す、などとした。記事中では、1996年の社会的不適合機撤去、遊技人口の減少と1人あたりの年間費用調査結果や、ギャンブル依存症の疑いのある人の割合を調査した厚生労働省発表などを引き合いに出してその問題点をあぶり出し、さらに業界関係者の声として、業界ぐるみでヘビーユーザー偏重になっていた、などという指摘もしている
 
一方、毎日新聞は一面で「パチンコ台 大量回収へ メーカー不正改造 警察庁要請」とし、警察庁への取材を通して、全国に流通するパチンコ台に不正なくぎ曲げの実態が判明し警察庁が業界側に不正機の回収を要請している、などとした。こちらも経緯や背景を解説するとともに、業界関係者の声として「回収が数十万台規模になる可能性がある」と報じた。
 
読売新聞が日工組や遊技産業健全化推進機構などに対する取材を行っていたことから、一部の業界関係者の間では遠くない時期に報道あることが危惧されるなど、業界関係者にとって先行き不安や緊張感の高まる展開が続くことになっていた。ただ、両紙とも扱いは大きいながらも回収規模が「数十万台」となっていたり、その後にこれを土台にした批判的な記事が続かなかったこともあって、業界内にはこの程度のリアクションに収まったことを安堵する声もあった。
 
ただ、共産党機関誌であるしんぶん赤旗は「国内に置かれている295万台のパチンコ台のほぼすべてが、法令違反状態である可能性があります」「この改造は、パチンコ機メーカーが検定のときだけ基準を満たすよう偽装し、その後、検定機と違うくぎ状態に改造していた疑いがあります」と厳しく指摘。さらには業界関係者の声として「行政がいまさら、くぎを問題にし始めた真意がわからない。ギャンブル性を高める改造は20年以上も前から、警察も承知の上ですすんできたことだ」などと、開き直りとも受け取られる意見を取り上げている。
 
インターネット上でもブログ等を中心に解説、批判、中傷が広がっている。こうした個人の声が、今後、どのような形で広がり「炎上」するかは予想がつかないだけに、しばらくは注意が必要だろう。
 
入れ替え対象機の数や期間は  6団体会見でも明らかにならず
 
12月25日の6団体会見では、撤去回収対象機の台数、期日、補償内容などといった具体的な今後の段取りや中古問題、さらに今後の遊技機の見通しなどを示した文書の内容などについて説明された。
 
全日遊連が6団体声明に不参加で、なおかつ記者会見の場にも一切姿をみせないことについても質問が挙がったが、日遊協の庄司孝輝会長は「全日遊連は、声明への参加に理事会の承認が必要」などと、あくまで手続き上の都合であることを強調。その上で、2016年1月22日に行われる全日遊連理事会において、今回の6団体声明への参加が決議されるよう期待を寄せる発言をしている。
 
また、席上では入替対象機の台数については、数十万台という認識が明かされた。ただし、「数十万台」という表現には幅があり、この説明だけで撤去対象機の全容を掴むのは難しい。会見でもその数自体は「調査中」とされるなど明確にはされなかった。
 
また、日工組の渡辺圭市理事はリストアップについて「疑わしいものが回収撤去リストに入ってくる。昔のもので調べもつかない、わからないというものに関しても日工組的にはリストに入れたいと考えている」とするなど、撤去対象となる機種にはいわゆる「グレー」のものも入れていく意向を示唆。即撤去の対象となるような「完全に悪いとわかった遊技機」以外については、調査に時間がかかり、それが段階的な撤去につながるとも説明された。また撤去期間については、今後調査で判明していく撤去対象機の台数次第とされるなど、こちらも、はっきりとした回答は示されなかった。
 
焦点の一つである撤去回収に伴う補償問題についても「責任の割合や金銭的なことは、各ホール団体と、今後いろいろ話し合っていくことになると思っている」とされるに留まり、具体的な内容については明かされなかった。
 
(次ページ)
第一弾入れ換え対象機のリストは?  設置台数の多い機種はどうなる

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