PSで同時に起こる低射幸性への移行 新台市場の不透明感は未だ拭えず(遊技通信2016年3月号より)

パチンコでは5月から継続率65%規制が適用され、パチスロは7月末でATが終了する。遊技くぎ問題も含めパチンコが混乱するのに対して、パチスロではメイン化機種が一定の評価を受けるなど、その動きは対照的だ。ただ、パチスロも既に新機種不足に陥っており、安定供給には不安の残る展開となっている。
 
懸念材料が積み重なるなかで  65%規制への対応迫られる展開に
 
遊技くぎ問題に対応していない機種の第一次撤去リストの発表が当初予定より遅れ、情報が錯綜するなど混乱をきたしているが、リストが発表され、新基準機との入替えが進み出したとしても、様々な課題が積み残されている。徐々に問題解決に向けた動きが見られるが、懸念材料が積み重なっているのがパチンコ市場の実情だ。
 
一つは当然ながら撤去に伴う入替費用の捻出。「検定有効期間が短い機種の撤去が優先されるようなので、第一次リストによる影響は少ないかもしれないが、二次、三次と進むと当然厳しくなる。特に長期設置を前提とした低価専門店の打撃は大きい」と語るのはあるコンサルタント。市場に出てくる新基準機の中古機を活用することで負担軽減も可能ではあるが、「このところの機械価格上昇で、相対的に中古価格も高くなるだろう。各次撤去期限が迫れば、需要と供給のバランスから中古価格が上がるという要素もある」ともいう。
 
機械の短命化が進んでいるが、それをフォローしてきたのが1円をはじめとした低価貸しで、長期設置が前提だからこそ利益を確保できた側面が強い。これだけ低価貸しが定着している以上、単に古い機種から撤去すれば影響が少ないとはいえないのは当然だ。撤去スケジュールが決まれば、必要な予算が具体的に見えてくる。負担の大きさが改めて示されれば、低価貸しの比率に関わらず、くすぶってくるホール側のメーカー側への不満が改めて表面化する可能性は高い。
 
もう一つの懸念材料は、そもそも新基準機が遊技くぎ問題をクリアした機種なのかという点だ。全日遊連の新年理事会で講話を行った警察庁の小柳誠二課長は、適正な遊技機について「日工組によればベース値が30台程度」としている。しかし、複数のメーカーから発表されている「安心して使える」とした新機種でも、実態的な数値としてベース30%を超える機種がほとんどない。ある開発関連会社の関係者は「新基準機で一般入賞口への入賞頻度は増えた。ベース全体もある程度は高まったが、いわゆる甘いスペックバランスがほとんどで、ベース30を確保したら利益は取れない。今登場している新機種は低ベースを前提に開発してきたものを、途中で高ベース対応に切り替えたケースも多く、その齟齬が出てきている」と指摘する。
 
そうした現状のなか、少なからずのホール関係者から「今出ている新基準機もいずれ撤去が求められるのではないか」と危惧する声も出てきている。あるメーカー営業マンは「新機種が売れない要因は様々あるが、『新基準機といえども、撤去しなければならなくなる可能性がある』というホールの危惧も、その一つであることは間違いない」と語る。
 
しかし、この買い控えの傾向も最近になって潮目が変わりつつある。初期ロット5万台以上といった機種の販売が堅調に推移するケースも出てきた。最大の要因は5月以降に適用される「継続率65%規制」だ。
 
ホール、メーカーを問わず、65%規制の影響の大きさを指摘する声は多い。「80%程度の高継続機に慣れたファンにしてみれば、65%継続では『とにかく大当りが続かない』という印象を持つだろう。高ベース化より市場への影響は大きいのではないか」と語るのはあるメーカー関係者。この65%規制は時短を含まないため、「確変ループタイプならば、実質的な継続率は70%を超える。そこまで大きな差はないのでは」と指摘する声もあるが、少なくともV確STが主流となっているスペックトレンドが変わる可能性は高いかも知れない。「4月末が販売期限となる高継続タイプを長期運用せざるを得ない展開は十分ありえる。『本当にくぎ問題がクリアされているのか』という疑念を抱きながらも、積極的に購入するホール側の心理は理解できる」とあるコンサルタントは語る。
 
様々な要素が積み重なり、長期的な展望を予想することが難しいが、少なくともサミット開催に伴う入れ替え自粛を乗り切れるかは、4月末が設置期限となる高継続タイプの業績が鍵を握ることになりそうだ。
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仕様面では8月が一つのヤマ場も  すでに新台の供給不足は顕在化

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