2025.1.22

【PKMS機種評価コラム】パチンコメーカー(日工組メーカー)の作るパチスロ(スマスロ)機ってどうなの?

年末年始営業も終わり、2025年に突入しました。。今年の干支は乙巳で、今までの努力が報われる年になるとされています。

さてさて、タイトルからもイメージできるようにスマスロ(パチスロ)機は戦国時代のような様子になっておりまして、今回はその導入・選定について考えてみたいと思います。

ところで、皆さんスマスロの導入比率ってどれくらいかご存じでしょうか?

情報島さんのサイトでは、その比率が発表されていますので、一度ご覧になられてはどうでしょうか? それによると2025年1月初週で47.07%と、遂に47%台まで比率が増えております。その背景には、

・一部のメーカーは、スマスロのみしか市場に供給しないスタイルとなっている。
・Aタイプの一部もスマスロに移行している。
・ファン側もスマスロに慣れており、逆にS機(メダル機)を打つ時にメダル投入を面倒と考えていたり、スマスロは手が汚れないという事を改めて感じるファンも増えている。
・スマスロ特有のコンプリート機能もメダル機に比べると発動(到達)する機会が多いので、ヘビーユーザーが好んで打っている。

などの要素もある事で、今や新台のうちAT機の大半(というか、殆ど)がスマスロになっています。

さて、パチスロを作っているメーカーは多数あれども、パチンコを作っているメーカーという意味で違いが少しあります。

日本遊技機工業組合(日工組)という組合をご存じだと思いますが、簡単に言えばパチンコ台を作っているメーカーの団体です。また、パチスロメーカーの組合も別に存在し、主に日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)という組合が該当します。

では、全てのパチスロを作っているメーカーが日電協に入っているのか?と言えば違っておりまして、日工組メーカーが製造しているケースも存在しています。

例えば、SANKYOや藤商事、大一商会、三洋物産といったメーカーです。逆にサミーや大都技研、オーイズミ、オリンピアは日電協も日工組も両方に加入しています。

さて、組合の話はここまでとして今回はパチンコメーカーのイメージが強いメーカーが作るパチスロ機について考えてみます。

皆さんは、例えば「山佐」「北電子」というとパチスロを思い浮かべると思います。逆に、「大一商会」「サンセイ」というとパチンコが思い浮ぶのではないでしょうか?

それくらい、固定概念というか、イメージが付いているのがメーカーですが、ホールとして遊技機を買う側においても、メーカー名で「あそこって、ロクな機械を作らないよね?」みたいな感じでイメージを持たれているかと思います。

また、画期的な性能というか、機能を開発した場合でも、マイナスイメージの強いメーカーの機械だと「本当に大丈夫?」という気持ちが先行すると思いますし、逆にサミーが「北斗の拳」を出したとすると「まぁ、間違いないよな」という先入観を少しは覚えたりしないでしょうか?

筆者も正直なところ、様々なメーカーさんとの付き合いはあれども、お恥ずかしながらどうしても先入観を持ってしまう人間です。

さて、何でこんな事を記事に書いたのか?と言うと、実は凄い性能を持った機械が適合したとの事でペンを取った次第です。

実はその性能を聞いた時に「日工組メーカーでしょ? 本当に?」と思ってしまいました。なので冒頭に組合に関する事を書いた次第です。

では、その性能とは何か? という事ですが、どうも大一商会から「うしおととら」のコンテンツを搭載したパチスロが出る(ココまでは普通の反応)との事で、「うしおととら」のイメージはパチンコが強かった筆者の記憶ですが、パチスロを調べてみると・・・

「Sうしおととら雷槍一閃」という機種名で、2021年9月に導入されていました。稼働貢献週が11週くらいだった(自社調べ)という事で、当時は2ケタ週動く機械は非常に少ない中で他にS麻雀物語4などが動いていた時でした。

さて、その「うしおととら」なのですが、小役抽選機という事で保通協の適合率が低くなってしまう中で適合した奇跡の機種だそうです。

営業資料を読んでみると・・・“妖目(あやかしめ)”が常時、アツい出目との事で、それが「リプレイ」「リプレイ」「ベル」の“リリベ”がカギを握っているという事で、筆者はココでピンときました!

そう、“リリベ”と言えば「サンダーV」の中段リリベ! 年配者である点はご容赦下さい。この妖目が約1/6.9で出現するのは痺れますね!サンダーVファンは(笑)

脱線した話はこれくらいにしておき、「うしおととら」は中単価帯(3.3円)のコイン単価の機種であると同時に出玉性能としては高単価帯の機種と遜色ない(2,000枚オーバー率が70%近くある)点も良いと感じています。ファンからすれば、ある程度突っ込んだのに見返りが少ないと感じる点が少なく済む!といったところでしょうか?

ここで冒頭の話に戻りますが、日工組メーカーが作るパチスロといえばあまり良くないイメージがある(昨今はSANKYOが頑張っているのは周知の事実)中で、大一商会(ディ・ライト)が開発するパチスロ(前作の「真・一騎当千」は販売こそフィールズでしたが、大一の社内開発機です)も悪くないじゃん!と思った次第です。

まぁ、あまり日工組メーカーや日電協メーカーという括りで判断される事は無いと思いますが、マジマジと見てみると意外な点が見えたというのが、今回の主題となります。

弊社では遊技機の評価を行っており、私のメイン担当はパチンコでありますが、個人的にはパチスロを打つ機会も多く昨年は大きく負けたのですが、ファンとしても「リリベ」を見たいので打ってみたいと思っています。

 

 

【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)

株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。

 

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