2025.5.16

【PKMS機種評価コラム】多機種販売時代における2スペック機をどうするか?

皆さま。こんにちは!

パチンコの遊技機も多機種少台数化時代に突入し、少し前までは新機種の機種数が月間ベース9~11機種だったのが、12~14機種といった数でリリースされるようになりました。

そういった中で、直近ではスマパチの普及を推進する形でSANKYOがe機とP機の同一コンテンツ搭載機を併せて発表したのは記憶に新しいと思います(厳密に言えばSANKYOがP機、ジェイビーがe機でしたが同一グループなので併せて発表としています)。

ただ、それ以前にも「P春一番~恋絵巻~」ソフィア(西陣)、「P真黄門ちゃま」(平和)、「P野生の王国5」(ニューギン)、「PキレパンダとDD北斗の拳2」(高尾)、「Pパトラッシュ」(ジェイビー)、「P化物語」(サミー)、「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ2」(SANKYO)などのスペック違い(ハイミドルとライトミドル)やタイプ違い(確変ループとST)で発売される機種が数多くありました。

そのような中で、昨今ではLT搭載機が(発売の)全盛期を迎えており、LT3.0プラスがスマパチ専用という側面もあって、P機とe機でなく、e機での差別化を図るようになりつつあります。

SANKYOの「eフィーバー炎炎ノ消防隊2」、ディ・ライトの「e真・一騎当千~軍神覚醒~」、メーシーの「eシャーマンキング」が2スペック構成で販売予定になっています。

さて、これらの機種を購入するにあたり一番気になるのは、導入後のファンの支持がどのようになるのか?という点です。

今後の商戦を考慮して、7月機種と8月機種で考えてみます。

対象としたのは、先ほど掲げた「炎炎ノ消防隊2」「真・一騎当千~軍神覚醒~」「シャーマンキング」です。

① スペックについて上記の表を参照ください。スペック面については「e真・一騎当千LTM-JH」をピックアップしていますが、理由としては“過去の実績”です。

これは、図柄揃い確率が約1/400という機種において、チャージ込み確率が約1/200という機種は稼働貢献が10週以上となる傾向が強い事を示しています。

チャージ込み確率が約1/200という条件に合致している既出の機種は、実際に次のようになっています(※当社調べ。片方の条件しか当てはまらない機種は除外)。

「P緋弾のアリア~緋緋神降臨~LT搭載FSZ」:27週
「P FAIRY TAIL これが七炎竜の力だFSA」:18週
「P魔王学院の不適合者FMY」:7週
「eフィーバーからくりサーカス2R」:継続中
「P戦国乙女7L9YY7」:14週
「e閃乱カグラLTM-JF」:10週
「e蒼天の拳羅龍SREN:10週
「eルパン三世14L9YZ5」:6週
「P防振りFHZ」:継続中
「e東京喰種W」:継続中

直近の2機種を除けば8機種中、6機種が条件に合致しています。これは無理やり合わせた訳ではなく、ファンが遊技した結果であり、ファンが支持した結果でもあります。

② 集客要素のあるコンテンツを搭載しているか?(人気コンテンツかどうか)
これについて「炎炎ノ消防隊」は、初代も現役で設置されて稼働していますので知名度は高いと言えます。

また「一騎当千」については高尾が販売していた時代でも、10週超えが13タイトル中11タイトルと人気のバロメーターは高く、大一から出した機種でも5タイトル中4タイトルと引き続き人気の高さを物語っています。なお、「シャーマンキング」については、今のところパチスロのみ出ているタイトルで、パチンコは初登場となるのでデータは存在しません。

そういった観点からも「e真・一騎当千LTM-JH」をピックアップ対象になると思います。

③ 出玉スペックが高い機種にありがちなRUSH突入率が低くないか?
「e真・一騎当千LTM-JH」はALL1,500個(払出し個数)の機種でありながら、RUSH突入率が約74%(チャンスタイムの引戻し込み)である点が一番の推しです。仕事で機種評価をしている私自身も一介のパチンコユーザーで、新台を打つ際には、初当り確率以外にRUSH突入率はどうしても比較材料に入る項目です。

今回の「e真・一騎当千LTM-JH」は、初当り時のRUSH非突入時にチャンスタイムに突入しますが、その確率は1/399.6です。

覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、2023年8月に出た「P真・一騎当千~桃園の誓い~FM-JT」と「Pフィーバー機動戦士ガンダムSEED S」について、両機種の違いは、100回転のチャンスタイムの確率でした。

「一騎当千」は約1/451、「ガンダムSEED」は約1/601。この差が稼働に繋がったのかどうかは分かりませんが、私は見た目でも差があったと思っています。「一騎当千」が17週で「ガンダムSEED」は9週になっています。

今回は1/399.6ですから、ワンチャンの可能性が高いと見るファンも一定数は存在すると思います。もっといえば、それが出玉を体感する事に繋がると思います。

④ 購入台数は?
業績が厳しいパチンコ市場において購入台数は予算に直結しますので、難しい選択になると思います。

多機種少台数化が市場の流れではあるかと思いますが、そこでも台数配分は重要な要素です。
・近隣店がどのようになるのかが不明なので、とりあえず1台ずつ摘まんでおこう。
・懇意にしている営業マンから勧められた方だけ買おう。

やはり、近隣の店舗が気になるのは営業者としては当然の事で、冒険出来ないのも当然だと思います。とはいえ、ファンとしては打ちたい機種が少ない、近隣の店舗でも座れないとなれば、他のエリアに行ってしまいます。

そう考えれば、実績が出る根拠が整った機種は一定数を押さえておきたいところ。今回の「一騎当千」は(600台の店では)10台は多いが5台を1/396で3台、1/319で2台といった形で検討してみてはどうでしょうか?(ちなみに余談ですが、「炎炎ノ消防隊2」について私はシンラ推しでして、シンラ:紅丸を7:3で考えていました)

 

【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)

株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。

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