2025.2.26

【PKMS機種評価コラム】デカヘソ搭載機で起こる変化

昨年の夏ごろに登場したデカヘソ機。それ以前からも僅かながら発売されていたのですが、最近は色々なメーカーから出るようになりました(まだ設置されていない機種も含みます)。

今回は、そんなデカヘソ機がもたらす効果について考えてみたいと思います。

現在の遊技機は、一定の確率で抽選して結果に基づいた出玉を獲得するタイプが主流で、新たな性能(機能)を搭載した遊技機も登場しています。その中からファンは新台や打ちたい台、色々な考えや各種情報、懐具合などを考慮して自分が打つ台を決めています。

このうち若年層は、パチンコよりもパチスロを好んで打つ傾向があるといわれますが、実際に「パチンコよりもパチスロの方が投資に対して見返りを得る機会が多い」といった意見をよく聞きます。パチンコでは「回る/回らない」の基準が個人差によってあるにせよ、パチスロはその部分の分かりやすさが意見として述べられているのだろうと思います。

そこでデカヘソ機は、たくさん回る仕様になっている事から、遊技機の遊び方に「多様性」をもたらすのではと考えています。

今までのパチンコ機は、同じTS、同じラウンド振り分け、同じ継続率といった機種が多く、違いといえばコンテンツやメーカー(←これが意外と大きな要素だったりする)という状況が続いてきました。

確かにデカヘソ機も見た目の確率などは同じですが、たくさん回る部分を活用し、遊技時間や大当りまでの投資額、最終的な出玉といった部分に差異を設ける事によって、ファンの選択肢を増やせるのではないかと思います。

もっと言えば、これまでのパチンコの概念を払拭する可能性も考えられます。例えば、1円パチンコのユーザーが4円パチンコに回帰する可能性がある事が挙げられます。

1円のユーザーには「4円の甘デジは出玉的に選択肢に入らないが、4円のライトミドル機も初期投資がかかる」というイメージがあると思いますが、この辺りのイメージを変えられると思います。

今は1円のハイミドルやハイスペックのLT機を打っている人でも、デカヘソのライトミドル機の初期投資情報を目にすれば、遊技スタイルの変更を考えるきっかけにもなると思います。

例えば5月登場予定の大一の「P攻殻機動隊」は、TSが1/189.9のLT機ですが、千円スタートが概ね30回のタイプになっていて、あくまで計算上ですが、大当りまでの初期投資金額が約5,900円と聞いています。

一般的に1パチファンの初期投資が5,000円前後であること(色々なデータがありますが)を考えると、「P攻殻機動隊」は4パチでも充分に引き寄せられる投資金額になりますから、4パチへの回帰が見込めそうなスペックになっています。

では、デカヘソタイプはホール店内のどこに設置した方がいいのでしょうか?

以下に紹介するのは、とある会議の場で、実際にホールの現場を預かる方や機械選定をされている方にヒヤリングした内容です。

・正直なところ初期投資の概念で決めていた
・ガンダムユニコーン(デカヘソ機)はe機だったのでユニットの場所で決めていた
・貞子(デカヘソ機)はうまい棒の対面などに設置していた
・e真北斗無双をデカヘソ機で導入予定だが、北斗コーナーに設置する見込み
・コンテンツやメーカーで分けている。結果的にそっちの方がファンも選びやすいみたい

現時点ではデカヘソだからといってコーナー分けはしない、という意見が大多数でした。貴重な意見をいただいた方々には感謝申し上げたいと思います。

では、デカヘソタイプによって、ファンはどのような考えに変わる、変わりそうなのでしょうか?

以下は、私が知己のファンの方々にデカヘソタイプの話をしていた中で直接聞いた声です。

・同じ投資であれば、ワンチャン可能性に賭けるかも!
・平均投資だから、絶対って訳じゃないんでしょ?でも、6,000円くらいなら試す価値はありそう
・1円だと更に長く遊べるよね?
・打っていて連続回転が途切れた時の虚しさが少ないのなら、そっちを選ぶ可能性はあるね

やはりファンの皆さんもまだ疑心暗鬼だと思いますが、その中に前向きな意見を聞かれたのも事実です。

この先、LT3.0プラスの話も出ている中、各メーカー共に一定数のデカヘソ機を投入してくることは間違いありません。回らないと感じてしまうストレスを解消できる遊技機ですから、一定数の導入が図られる事で、ファンのイメージアップにつなげていきたいところです。

 

【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)

株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。

 

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