2022.11.17

人間ドラッカー超入門⑦  GM会長から経営者のあり方を学ぶ

今回は、ピーター・ドラッカーがGM(ゼネラル・モーターズ)からの調査依頼を契機に、会長のアルフレッド・P・スローンとの親交を深めながら、企業経営の本質と経営者のあるべき姿についての理解を深めていく数年間に焦点を当てて紹介することにする。

GMの調査は、当初、スパイ疑惑で難航したが、経営委員会の承諾を得て出版目的の取材という体裁をとることで一転してスムーズに進みだした。最終的に18か月に及ぶGMの調査で、ドラッカーはシボレーやキャデラックなどの事業部は全て、そして関連工場もそのほとんどを訪ね歩いて各事業部や工場の経営幹部たちと面談した。この経営幹部たちとの面談は、ドラッカーにとって非常に刺激的なもので、企業組織の実態についての認識を深める貴重な機会となった。なかでも、GMの中興の祖と言われた会長のアルフレッド・P・スローンとの出会いは、ドラッカーがその後に取り組むマネジメントの体系化において、最も大きな影響を受ける面談となった。

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