2014.11.10

国税庁まとめ 不正所得金額の大きな業種でワースト1位

国税庁が11月上旬に発表した平成25年事務年度(25年7月から26年6月)における法人税等の調査事績によると、不正発見割合の高い業種でパチンコは29.0%のワースト3位にランクされた。前年度調査では29.8%のワースト2位で、率、順位ともにわずかとはいえ改善された。

不正発見割合では、平成13年度にワースト1位になったものの、翌14年度からは9年連続でワースト2位が続き、ワースト1位が続く「バー・クラブ」とともに定位置ともいえる状態が続いていた。今回、23年度調査に続いて2度目のワースト3位になり、固定位置から脱却の兆しが窺えるものになっている。また、不正発見割合でワースト2位が続いていた時には、これが約50%という高率だったが、この数年は数値的には改善傾向が示されており、今回も前年調査に続いて30%を割り込んだ。

一方、パチンコにおける1件当たりの不正所得金額は5,373万円で、業種別でワースト1位になった。不正発見割合では全体に常連業種ともいえる固定化が見受けられるが、1件当たりの不正所得金額はその年度にそれぞれの業種で大型脱税事案があるかどうかが順位を大きく左右する。しかし、パチンコはここでも数少ない固定業種になっており、結果、両項目において毎年名を連ねる業種はパチンコだけという展開が続いている。

なお、平成25事務年度における法人税及び法人消費税の調査は、大口、悪質な不正計算が想定される法人など、調査必要度が高い9万1000件を実地調査。このうち、法人税の非違があった法人は6万6000件で、その申告漏れ所得金額は7,515億円、追徴税額は1,591億円に上ったが、いずれの数値も2年連続で前年を下回っている。

●不正発見割合の高い10業種(カッコ内は前年順位)

1  バー・クラブ…………47.3%(1)
2  自動車修理………………29.8%(4)
3  パチンコ……………………29.0%(2)
4  廃棄物処理………………28.4%(5)
5  土木工事……………………28.2%(3)
6  一般土木建築工事…27.4%(7)
7  職別土木建築工事…24.7%(-)
8  貨物自動車運送………24.3%(-)
9  再生資源卸売……………24.3%(10)
10 電気・通信工事 23.3%(9)

●1件当たりの不正脱漏所得金額の大きな10業種(カッコ内は前年順位)

1  パチンコ………………………………………53,72万7,000円(2)
2  自動車・同付属品製造…………33,47万7,000円(4)
3  情報サービス、興信所…………25,32万3,000円(-)
4  電子機器製造……………………………25,10万7,000円(-)
5  建売、土地売買…………………………19,80万1,000円(-)
6  電気通信機械器具卸業…………19,3万40,000円(3)
7  産業用機械製造…………………………18,38万4,000円(-)
8  医薬品小売……………………………………17,67万3,000円(-)
9  一般機械器具卸売……………………17,24万0,000円(7)
10 鉄鋼卸売………………………………………17,18万8,000円(-)

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