日遊協会見 篠原教授が厚労省の依存症実態調査への疑問示す

日遊協は9月16日、理事会後の記者会見を開催し、日遊協の理事を務める諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授が、先に公表された厚労省の「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」に対する考えを示した。厚労省の調査は、「ギャンブル等依存症対策基本法」に基づく初の実態調査として久里浜医療センターが昨年10月から12月にかけて実施。過去1年における依存が疑われる人の割合が2.2%だったことや、もっともお金を使ったものがパチンコ、パチスロであったことなどを示していた。
 
会見で篠原教授は、ギャンブル等依存症の診断のためスクリーニングで、SOGSのスコアが5点以上だった依存疑いの割合について、パチンコ、パチスロの場合はカットオフ値は7点から8点が適切であることを過去の研究成果を示しながら解説。たとえSOGSのスコアが7点から8点でも、ギャンブル等依存症の定義である「ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活または社会生活に支障が生じている状態」とイコールとするには無理があるラインだとし、「今回の調査結果は依存疑いとかではなく、非常に広範なリスクスクリーニングの結果に過ぎないと判断するのが適切」とした。その上で篠原教授は、今後はギャンブル等依存によって生じる臨床的に意味のある苦痛や障害を調べ、特定していく研究の必要性を示した。
 
さらに篠原教授は、厚労省調査では、ギャンブル等依存が疑われる人はSOGS5点未満の人と比べて、うつ・不安傾向が強いと結論付けていることに対し、その因果関係を疑問視。「うつや不安はむしろギャンブリング障害を増悪させる原因、もしくは双方向だとみるのが妥当だということが我々の調査で出ている」としたほか、この問題に対して「本人の責任ではない」「誰でもなりうる」という厚労省のスタンスについて、「世界的な研究ではギャンブルは自分で止めることができないという認知そのものが歪んでおり、そこを予防的に抑えていくことが必要だとされている」と述べた。
 
また、厚労省調査の報告書の概要に、自助グループにつながること自体がゴールであるかのような表現が出てくることについて、「自助グループにつながった後、本当に回復支援に役立っているのかの追跡調査が必要。もともとがいろんな問題を抱えている人に対しては、社会との新しい安定したつながりを見つける福祉的な対応の方がより重要になる」と述べるなどした。
 
 

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