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NHK総合で毎週月曜から木曜に放送されている夜のニュース・報道番組「クローズアップ現代」(午後7時30分~同56分)の11月17日の放送回において、ギャンブル依存症の問題が取り扱われた。放送では『ギャンブル依存症 明らかになる病の実態』と題し、依存症者本人やそれに巻き込まれた家族の実態、ギャンブル依存に陥る脳の働きのほか、事態の深刻化を防ぐための対策について触れられた。
番組では、同僚や両親から借金をしてパチンコを続けていた男性が、入院治療中もやめられず、家財道具を質屋に出してパチンコ資金にしていたエピソードなどを交え、家族や周囲の人に深刻な打撃を与えるギャンブル依存症の実態をレポートしている。
ギャンブル依存を精神疾患と捉え、本格的な治療を訴えてきた精神科医の森山成彬さんは、「なまやさしい病気ではない。ギャンブル障害になったら脳が変わる」などと指摘。周囲の人が依存症の兆候(借金など)にいち早く気付き、本人に本格的な治療を受けさせることが重要だが、それが見過ごされている実態に警鐘を鳴らしている。
また、医療の現場では、依存症の進行を食い止めるため、本人だけでなくその家族に焦点を当てたケアが重視されている現状をレポート。家族があえて、数百万円に上る借金を抱えていた息子との距離を置き、経済的援助を断つことで、息子のパチンコ漬けの生活が変わり、治療に取り組むようになったエピソードが紹介されるなどした。
インタビューの中で、北海道立精神保健福祉センターの田辺等所長は、「借金だったら、(家族が)もう二度とするなよと、肩代わりしてしまうが、それは問題を先送りしてしまうことになる。家族が自分の力でなんとかしようということを止めて、責任は本人に返すという態度をとることが、回復のきっかけとなる」などと指摘。また、ギャンブル依存に関連して、カジノ解禁の動きについては「社会のなかで、ギャンブル依存症者を作り出すことは非常に簡単。ところが、それを回復させる仕組み、または回復させることを支援する人を育てることは大変だ。依存症というリスクがあるということを知って、予防や教育、さらには依存症者への対策を充足させなければならない」と持論を述べるなどした。
なお、NHKオンラインによると、視聴率は10.8%(関東地区)だった。
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