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- 【期間限定公開】人件費は抑えられるが人材不足は継続 企業独自の「価値」創出が重要
激動の2025年は、テレビ局を巻き込んだ大物タレントの女性問題や、大手企業のコンプライアンス問題、高市早苗氏が史上初の女性総理大臣になるなど、社会の倫理観や政策の転換点に強く意識が向けられた年だったと言えるでしょう。
パチンコ業界に目を向けると、「レジャー白書2025」では遊技人口が微増の690万人、市場規模も微増の16.2兆円となりました。しかし、この数字だけで諸手を挙げて喜べる状況ではないことは、業界の皆様ならご承知でしょう。
それでは、ホールと採用にまつわる2025年を深掘りし、2026年の展望についても論じていきます。
「省力化」の裏に潜む 労働環境整備の深刻な遅れ
ハード機器の自動化と普及、具体的には各台計数機やスマパチ・スマスロ、セルフレジなどによって、ホール現場の必要人員数に対する考え方は大きく二極化しています。 業務工数を削減し、人員数を減少させて効率性を極大化するパターンと、業務工数の削減と並行してオペレーションを変更し、人員数は大きく変えずに接客やフロアサービスなど人的リソースの最大化を目指すパターンです。どちらが絶対的に正しいということではなく、ホール店舗の状況や現場の状況に応じた柔軟性が、より強く求められています。
一方で、2025年4月には育児・介護休業法が改正され、それらに関する休暇の柔軟性がこれまで以上に求められるようになりました。特に、義務化の対象となる企業規模が従業員1000人超から300人超へと拡大され、チェーン展開する多くのホール企業がその対象となったのです。
従業員の子が風邪をひいたりケガをしたりして「いきなりで申し訳ないが、看護休暇をいただく」といった不測の事態にも迅速に対応出来るよう、社内体制の整備が急務に。店舗規模と仕事量を考慮し、5人で回せる状況でも6人体制にする、といった“プラス1”戦略を打ち出すホールも見受けられました。
省力化によるランニングコスト削減という企業努力に対し、法改正が新たな経営課題を突きつける形となっているのが現状です。
最低賃金アップと 「働き方改革」緩和の行方
このようなこともあってか、多くのホール企業は人材不足感が継続。その他の要因としては、若手の定着率が低いことも挙げられます。また、新卒採用は例年通り苦戦傾向にあり、第二新卒採用を推進する企業も増加しました。
アルバイトで人員を補完しようにも、時給の上昇がその障壁となります。2025年も最低賃金がアップし、全国平均は1055円となりました。かつて「時給が高い業界」としてのアドバンテージを誇った当業界に最低賃金が毎年迫り、もはやその優位性を訴求ポイントとして打ち出せるホール店舗が少数派になっていくことは容易に想像出来ます。
また、前述の高市首相が10月21日、「働き方改革の緩和」を指示したと報道されました。2019年4月から徐々に施行された働き方改革ですが、ドライバーの労働時間が制限された通称「2024年問題」は、日曜日の夜に新台を搬入することが多いパチンコ業界にも大きな影響を与えたのは記憶に新しいところです。これが緩和されれば、残業時間が確保出来、労働者としては手取りアップ、経営者としては人件費が増額する代わり人員不足が多少軽減されることとなるでしょう。
世論としては賛否両論。与野党がどのような議論を交わし、結局どうなるのかは現時点では全くわかりませんが、2026年の焦点の一つになりそうです。緩和策が実施された場合、求人の謳い文句として「高収入」や、それとは真逆の「残業なし」、あるいは「週休3日」といった文字が強調されることでしょう。
以前のような賃金上昇は可能? 考える力が発揮出来れば…
2026年は、改めて当業界で働く魅力を深く考える必要があるでしょう。給与面での差別化が難しくなっている今、他業界との差別化を図る新たな「武器」が必要です。
こうした採用力の課題に対し、一部の企業では月10日、年間休日120日と休日を増加させ、他業界と比べても休日数は遜色なく、給料も一定以上を担保することで、「これだけの給料をもらえて、こんなにも休日がある」という待遇と働き方の両面にアプローチするケースが増えています。このアプローチはやはり有効的で、私自身も転職支援の場において、休日が「月10日」というキーワードはそれだけでも応募要因になると実感しているところです。
しかし、応募要因にはなるものの、応募者が並行して検討する他業種が土日祝休みとなると、休日数が決定打とはなりづらいのが実情。給料も休日も大差がないとなると、どのようなキャリアが描けるのかが、採用競争における決定的な議論の核となります。
思えば、以前は他業界より高給というだけでなく、賃金上昇のカーブが比例の直線を大きく上回っていました。若くして昇進し、給与も跳ね上がるという図式です。例えば、20代で主任(年収500万円)、30代で店長(年収700万円)に昇格といった具体的なキャリアパスです。
これを今すぐ全社的に実施するのは困難な課題ですが、省力化が進む今、企業として何に注力し、何を査定の対象とするかを再構築すべきでしょう。社員一人にでも以前のような賃金上昇のカーブが描ければ、ロールモデルとなり、他の社員のモチベーションも向上し、定着率向上にもつながる可能性を秘めています。
政策や法改正にも注視しながら、それに合わせて自社の方向性を考えることが重要な年になるかもしれません。

筆者紹介:嶌田堅一(しまだ・けんいち)
キャリアコンサルティンググループ
マネージャー
大学卒業後、㈱パック・エックスに入社。人材紹介事業を10年以上経験、国家資格キャリアコンサルタントを取得。これまで2,000人以上の支援を行っている経験・実績豊富なアドバイザー。
※これまで掲載された「現場視点からみる業界の『人材課題』」のアーカイブをはじめ、マークが付いている「プレミアム記事(有料プラン)」は、https://www.yugitsushin.jp/category/premium/から閲覧できます。
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