2022.10.19

二極化する消費性向への対応

世界的な資源高や円安の影響を受けて物価高が続いているなか、世帯所得の多寡による消費傾向に差が出ている。食品を中心に日常生活に必要な商品の値上がりが大きいこともあり、中低所得層の負担は重く、節約志向が強い。一方で高所得層の消費性向は、新型コロナ禍前の水準を上回っており、インフレ下での消費は二極化の様相を呈している。

中低所得層が特に節約しているのは教育や旅行、教養娯楽といった品目だ。これらは高所得層では三年前に比べていずれも増加している。パチンコ・パチスロは教養娯楽に属するが、高所得層では三年前に比べて二十四%ほど増加しているのに対して、中低所得層は三%ほど減少しているそうだ。

こうした状況を受け、さまざまな産業・企業が高所得層をターゲットにした取組みを強化している。例えば、あるゴルフ場経営企業は、それまでひとつだったブランド名を複数に分け、高級ラインに位置づけたゴルフ場では、接客も相応しいスタイルに変更して、都内とゴルフ場間をヘリコプターで送迎するサービスも始めた。競合ゴルフ場との差別化を図り、高所得層のゴルファーを囲い込む狙いだ。

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