石川県野々市市内の景品交換所で特殊景品が数百万円分盗まれたというニュースが報じられた。

報じたのは北陸新聞の10月27日付の記事で、野々市の事件に加えて金沢市と白山市の景品交換所でも侵入未遂があったとして、石川県警は同一グループが窃盗目的で交換所を狙った可能性があるとみて捜査しているとのこと。なお、このニュースについては、ホール向け賞品を取り扱う卸問屋や賞品買取業者で組織する団体でもホームページなどで情報共有され、注意喚起がなされている。

犯行の目的は捜査中のためまだ不明だが、記事によるとカード状の特殊景品が大量に盗まれたとし、別の景品交換所で換金される可能性を指摘している。このあたりについてホール向け賞品取扱業者の関係者に話を聞くと、特殊景品がカード状の形状であることからしても、金賞品のように相場の値上がりで差益を得ることを狙ったものである可能性は低いという。

また、記事で指摘しているように、盗んだ特殊景品を別の景品交換所に持っていかれたとしても、地元のニュースで報じられて注意喚起がなされているなかでは足が付く可能性が高い。なぜ現金を狙った強盗でなく特殊景品だったのか、またグループによる犯行とみられるところについても、解せない部分が多い。そもそも景品交換所を狙った強盗事件は全国各地でしばしばニュースになるが、特殊景品そのものが盗まれる事件は稀なケースといえるからだ。

さらに記事では「パチンコの景品」に関する補足説明も加えられており、「特殊景品」とは何なのかという部分にも若干触れている。事件の内容も含めてこのような記事はなかなか見当たらないが、風適法令で求められる賞品買取業者の第三者性も含め、この種のニュースの報じられ方には目を向けておく必要がありそうだ。