2023.10.25

人財に育てる第3回「理由の説明」

店の一員になるために必要な条件を列記し、その条件をどのような順番で教えていくのかのロードマップの作成ができたら、なぜその作業が必要なのか、なぜそのやり方になるのかという“理由”を考えましょう。 “理由”を説明せず単に“やり方”だけを教えてしまうと、自分では何も判断できない、指示を待つだけのスタッフを増やすことになってしまいます。

人材コンサルタント 西岡 隆

●ロボットではなく、人間を育てる
会釈と敬礼と最敬礼という3種類のお辞儀の説明として、頭を下げる角度が15度、30度、45度と角度が異なります、という説明が一般的でしょう。そして、会釈は通路ですれ違う時、敬礼はお出迎えの時、最敬礼はお詫びの時、など使う状況についても説明します。しかし、状況に応じて3種類のお辞儀を使い分けるという説明だけでは不十分です。その状況ならこのお辞儀、と何も考えずに脊髄反射でお辞儀をするようなスタッフになってしまうでしょう。特定の状況になると命令通りに実行するロボットのようなスタッフです。そうではなく、自分自身で状況を判断し、何のために、何をするべきなのかを考えることができるスタッフを育てる必要があります。そのためには、“理由”の説明が不可欠なのです。

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