2022.7.25

消費者視点を含めた改革の必要性

小売業界では、大型ショッピングモールなどの出店反対運動が起きることがある。

店頭に並んでいる商品が同じであれば価格の安いほう、商品の品揃えが豊富なほうへ足を運ぶのは、消費者心理として当然のことである。大型ショッピングモールと個人商店では、商品点数や仕入価格に差が生じるのは致し方ないところで、結果として収益にも差が生じてしまうのも当然である。

出店反対運動を起こすのは、顧客を奪われる恐れを抱く個人商店主あるいは商店街の関係者であり、地域の消費者ではない。顧客である消費者サイドから捉えると、大型ショッピングモールができることで、これまでよりも安く買い物ができるうえに、フィットネスジムや医療施設、娯楽施設などが夜遅くまで開いていることで、生活が豊かになる。むしろ歓迎する声が多く聞かれるのも当然だ。一方で、小売業界に限らないことだが、大型店ではなく小型店に消費者が足を運ぶのは、その店舗にしかない魅力を求めているからだろう。言い換えれば、個人商店が生き残るのは『自店にしかない魅力』をいかに打ち出せるかにかかっており、大型店をただ小さくしただけの店舗では消費者の心を掴むことは難しい。

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