2022.9.16

【製品レポート】来店客の不快要素を解消し、環境保全も実現するマイナス帯電水発生装置『ドールマン・ショック』

水の中に含まれるカルシウムやシリカなどが給排水管に固着したものをスケールというが、これを放置すると配管詰まりはもちろん、雑菌が繁殖して悪臭の原因になり、配管の劣化・汚濁で赤サビが発生すると水質に悪影響を及ぼす上に漏水事故のおそれもある。トイレの悪臭のもとになる尿石も実はスケール。尿の中に含まれるカルシウムなどが固形化し、便器などに一旦尿石が付着すると加速度的に尿石が増えていき、それが雑菌の温床となって悪臭を放つ。

そもそもこのスケールは、配管の内壁や便器などの「静止側」が水との接触によりマイナス帯電しているのに対し、水の中に含まれるミネラル分など「動体側」の表面電位はプラス帯電しているため、静止側に吸い寄せられて固着・堆積し、結果的に石化するという仕組みになっている。

そこで、「動体側」の表面電位をマイナス帯電させて持続的にスケールを防ぐ新発想の装置が注目を集めている。水処理装置の専門メーカー、マキシムが製造するマイナス帯電水発生装置「ドールマン・ショック(DS)」がそれだ。『DS』は1989年にオランダのドールマン博士が開発したシステムで、1995年から日本仕様に製品改良して国内販売を開始。現在はJRや首都高速道路、東京メトロ、またビルやマンション、飲食店など幅広い業種に約30,000台の導入実績を誇り、ホール店舗向けにはプレジールが販売元として提供している。

 

『DS』はスケールや尿石、汚れの付着を防止し、固着スケールの軟化・剥離効果ももたらすが、施工は給水管の外側にコイルを巻き付けるだけ。取り付け工事に店舗の給水管を断水する必要がなく、簡単に設置できるのが特徴だ。そのメカニズムは、給水管の外側から周波数変調した微弱電流をランダムに与えることで配管内のスケールを小粒子化し、その表面電位をマイナスにしてスケールの付着を防ぐという仕組み。小粒子化することによって反発・分散性を促進し、配管内に流れる水の勢いにより固着スケールの剥離・除去も促す。コイルから発生される電磁界が配管内の還元化(酸化と逆の現象)も促し、プロテクト効果のある黒サビの生成で配管の延命化にもつなげる。また、『DS』で処理された水は60℃のお湯と同等の洗浄能力をもち、配管内部など通常では手の届かない部分の清掃も実現する。

『DS』がもたらす効果は、コイルを取り付けた給水管より約2㎞の距離まで及ぶため、1台で店舗の水まわりすべてに対応する。水の品質と安全性に関するエビデンスも実証済みで、人体にまったく影響がなく水質・水温も変わらない。なお、『DS』の保証期間は5年。メンテナンスも全国対応になっており、導入後も安心して運用できる。また導入の検討段階ではデモ導入に対応するため、効果を検証してから本導入できるのも大きな特徴となっており、基本的にレンタルにも対応する(設置工事費は別途)。

 

 福岡のホール企業「玉屋」が2店舗に『DS』を導入、店内トイレの臭気がほぼ無臭に

玉屋本店(右上)と同店の給水槽に設置した「DS」

福岡県と佐賀県に14店舗を展開する玉屋(福岡市中央区)は、ホール企業の中でも先駆的に『DS』を導入。まず昨年10月に同社の本社機能を持つ「玉屋本店」への導入を決めた。

「玉屋本店」のビル建物は2005年に竣工し、築年経過による店内トイレの臭気対策が課題だったため、来店客の離反要因となる店舗の不快要素の解消を大きな目的に、取引のある大手建築会社の提案を受けるかたちで導入を検討。受水槽の配管に『DS』を取り付けてデモ導入し、プレジールによる設置後の臭気測定や尿石状況の確認など検証テストを経たのち本導入した。

同店は10名以上のクリーンスタッフのローテーションによる徹底した清掃で日頃からクレンリネスに力を注いでおり、特にアメニティを充実させた女性用トイレは同店のアピールポイントのひとつになっている。ただし様々な消臭剤やフレグランスを用いるなどして臭気対策には試行錯誤を繰り返してきたが、これまで思うような効果は得られなかったという。

アメニティを充実させた玉屋本店の女性用トイレ

そこで『DS』設置後は店内トイレの臭気が大幅に軽減し、プレジールによる検証結果でも便器周りの尿石が徐々に軟化して剥離する傾向がみられ、配管の深部も同様の効果が確認された。臭気測定器の数値にしてもほぼ無臭に近い状態になった。

とりわけ同店の建物には飲食店も入居するため、断水せずに営業中に施工できたのも大きなポイントとなった。なお、その飲食店ではグリス汚れや配管汚れを軽減できたほか、洗剤では落ちなかった調理器具の洗浄も含め、水洗い作業が大幅に改善できているようだ。

また同社では「玉屋本店」で予想以上の効果が得られたため、築年数23年が経つ「玉屋空港店」(福岡市博多区)にも今年1月に『DS』を導入。「玉屋本店」同様、尿石除去と付着防止の効果によって臭気問題を軽減できている。

 

玉屋空港店にも「DS」を導入

そもそも『DS』は、配管の長寿命化により設備の保全面でも大きなコスト削減効果を発揮し、水自体が洗浄力を発揮するため清掃スタッフの労力負担も軽減する。さらに、日常の洗剤使用量を抑えて排水負荷を軽減するため、環境保全が見込めるのも大きな利点になっている。

周知の通りSDGsが注目される中では、環境問題に取り組む企業はこれまで以上に高く評価されている。同社の企業理念『クリーンで強いアワーカンパニーを目指して』のビジョンのひとつに掲げている『地域への貢献、地域との共生』の体現にもつながることから、同社では今後、グループ店舗への導入も逐次検討していきたいとしている。

 

■ お問い合わせ

【販売元】株式会社プレジール TEL/027-370-1588

http://plaisir-sdgs.com/daelman

【製造元】株式会社マキシム TEL/0120-06-8180

http://www.111.ne.jp

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