2022.5.16

依存問題啓発週間に合わせWebフォーラムを配信


業界14団体で構成する「依存問題フォーラム実行委員会」は、5月14日から20日までの「パチンコ・パチスロ依存問題啓発週間」に合わせ、特設サイト上でWebフォーラムの配信を始めた。

Webフォーラムでは、リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)代表の西村直之氏、脳科学者で公立諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏、さらにはホールからRSNに出向して依存問題の相談業務を行っている中島大輔氏の3人による「安心娯楽のススメ」と題したディスカッション動画を配信した。

ディスカッションに先立ち西村氏は、現在の賭け事に関するリスク対策は「予防」と「治療」とのバランスで成り立っているとし、特に予防対策では、遊びの知識や理解を深めてもらうことや賭け事の危険性の理解を促すために、事業者と参加者の情報共有、また事業者からのメッセージの重要性を説明。今のパチンコでは、予防のための遊び方や危険性の教育を「健全遊技」として発信して対策に活用し始めているとして、その状況を三者でディスカッションした。

脳科学者として「健全遊技」を研究する篠原氏は、プレイヤー調査の結果からみると、当初の予想と違ってパチンコの頻度、時間、金額の制限などは、のめり込みの問題のリスクを下げる効果がほとんど期待できなかった一方で、使用金額などをあらかじめ決めておくことが効果的だったことを説明した。その上で篠原氏は、危険なパチンコ行動をリストアップして減らしていくよりも、「健全遊技」を意識し、そのチェックを行う肯定的なパチンコ行動を増やしていく必要性を示した。

また、中島氏は、相談の現場で感じる問題が起きやすい人のパターンを例示し、「パチンコについて間違った理解を持つ人には、なぜそう思うのかと聞いている。わたしたち相談員との会話の中で、相談者自身の考えを言葉にすることでパチンコに対する考え方が矛盾していることに気づいたり、冷静になることもある」と説明。「電話相談は敷居が高いと思う方もいるだろうが、実際はそのようなことはなく、もっと早く電話すればよかったという人もいる。わたしたちはパチンコで遊ぶことを悪いとは考えていない。楽しく遊ぶためのアドバイスも電話でお受けできる。遊び方について気になったり不安になった時でも相談していただければ」とメッセージを伝えた。

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