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- 【特別取材】コロナ禍が与えたこれからのパチンコ店設計における展望
建築家 鶴田一氏(NRC一級建築士事務所代表取締役)
本年度、ホテル設計においてASIA DESIGN PRIZE(韓国)、The Outstanding Property Award London(イギリス)、A’ Design Awards and Competition銅賞受賞(イタリア)と、世界的に権威ある賞を立て続けに受賞している株式会社NRC一級建築士事務所の建築家・鶴田一氏。そんな鶴田氏にコロナ禍の影響で危機的状況を迎えている今後のホール設計の展望について話しをきいた。
■コロナ禍におけるパチンコ業界の現況
現在、多くのパチンコ店が自主的に、あるいは各都道府県からの休業要請を受けて休業に入っている状況です。ホール企業様だけでなくメーカー様、販売店様を含めた業界全体が歴史的な危機を迎えているのは言うまでもありません。このような危機的な状況の中で、企業や人間はどのように生き残るかを理論的に考えて、目先の資金繰りだけでなく、「先を考えた戦略」で多くの企業様が事業を再開していただけると信じています。そしてコロナ収束後はパチンコ業界だけに限らず、全ての業界が根本から変わっている、或いは変わらないと生き残れない社会情勢になっているのではないかと想像します。
■「先を考えた戦略」で必要とされるソーシャルディスタンス
一連のコロナ禍のなか、パチンコ店という商業施設を建築家の立場であらためて考えさせられました。ホール設計においては、今まで常識とされてきた既存の通路幅や台間幅は、現在提唱されているソーシャルディスタンスの観点から考えると今後リスクとなり得る可能性があります。私達は今回のコロナ禍以前よりソーシャルディスタンスを大きくとり、カフェ融合型の美容室のようなお洒落なホールデザインで若い世代を取り込み、持続的な事業、業界となるよう提案して参りました。台数に頼らず、稼動率と滞在時間を上げることで「ネクストジェネレーションホール」は成立すると、数々のホールデザインコンペに参戦して参りましたが、結果は惨敗の連続でした。しかしながら私達が提案してきた今までの常識に捕らわれないホールデザインは今回のコロナ禍を機に、社会からのニーズが高まっていくと考えると同時に「先を考えた戦略」の一つの選択肢としてホール企業様に検討していただけると幸いです。
今後どのような未来がまっているのかは誰にも分かりません。アミューズメント業界自体不要不急であるといった厳しい未来がくるのかもしれませんが、そういった批判さえ払拭でき、老若男女問わず愛される業界となっていくために今回のコロナ禍を業界全体が変革するチャンスと捉える事が出来ればと考えています。建築家の立場から今後も常識に捕らわれないホールデザインを提案させていただき、微力ではありますが、業界変革の一助となることが出来れば幸いです。
NRC一級建築士事務所(www.nrcgroup.co.jp/)
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