船井総合研究所が12月14日・16日の2日間、毎年恒例となっている「パチンコ業界時流予測セミナー」をWEB配信で開催した。当日は、シニアコンサルタントの奥野倫充氏をはじめ5名のコンサルタントが旧基準機撤去後の業界環境を見据えた営業戦略や中小企業に向けた成長戦略を提案した。
奥野氏は、自身のコンサルタント経験を元に、ホール経営者の関心事の変化や近年増加しているM&A事案の特徴などについて解説し、「M&Aを用いた事業成長という時流については、2023年までは300台から500台クラスの居抜き物件を再生し、高利回りを得る法人が台頭する」と予測。2023年以降は、遊技人口のさらなる減少や遊技機の高騰、新紙幣への移行などで設備投資負担が増加することから、B級、C級の大型店のM&Aが増えてくるとの見方を示した。そのため2022年は、B級、C級の大型店を高値で売却できるラストチャンスだとして早めの決断が肝要と述べたほか、「M&A成約時における評価対象となる営業権(いわゆるのれん代)は、魅力的な物件の場合、業績の伸びしろを加味して算出される。成約したケースの場合、伸びしろも加味したEBITDA×3〜5倍が一般的。B級、C級の大型店にこうした営業権がつくのは2022年までと見ている」とした。
また、「業界に対する業種与信が今後さらに下がることが予想される。その際には、新規の資金調達が困難になるため、今後M&A対象のホール物件はさらに増え、資金調達ができる企業にとっては優良物件が選び放題の状況が加速するのではないか」と分析した。セミナーでは、ぱちんこグループマネージャーの徳村英志氏、渡邊龍信氏、パチンコグループリーダーの瀧華啓貴氏、マネージング・ディレクターの成田優紀氏による講演も行われた。