1.ごみ屋敷
大学教育の現場では、毎年のように雑用が増えていきます。たとえば、文科省からは、授業やカリキュラムの評価システムを要求され、学生からの授業評価や大量の報告書作成に莫大な時間と労力を費やします。書類作成のために研究や授業準備の時間が大幅に削られているのです。学生による評価などは、サボる教員を見つけるために積極的にやれとの意見もありますが、学生は楽して単位をとれる授業を歓迎する傾向があるので、真剣に授業に取り組んでいる教員ほど低評価を受けることもあります。プラス面よりマイナス面の方が遙かに大きいと感じています。

大学教員は、小中教員より権利が保証されているのでまだいいのですが、小学校の現状はひどいものです。あれもやれこれもやれと言われますが、仕事量が増えたので、これはやらなくていいと言われることはまずありません。よく規制改正といわれますが、私は規則改悪と呼んでいます。今や教職はブラックな職場の代表となり、教員を目指す学生は激減しています。ことある毎にマスコミは教師の犯罪を叩くのですが、教師の犯罪率は25~59歳全体と比 して5分の1以下です(須藤康介2015「教師の犯罪率とその推移」)。このような状況で、教師の立場は弱くなり、保護者や生徒の理不尽な要求にも対処することになり、無駄な仕事が増えていくのです。

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