2023.6.23

平凡の戯言その9 講話でわかる日遊協への信頼感の巻

甲乙亭平凡です。まだ梅雨も序盤というのに、30度以上のうだるような暑さにもう夏バテのような症状が出ています。はいそうです。時代を先取りしている男、平凡です(笑)

さて噂というものは真実かどうかは関係なく、興味深ければそれだけ広がっていくものでございます。「人の噂は蜜の味」「開いた口に戸は立たぬ」とはよく言ったもので、特に共通の話題については色んな噂になるものです。

パチンコ業界でよく噂になるものは「倒産・身売り」「代表者の就任・退任」「遊技機関連」「行政関連」などがございます。「火のない所に煙は立たぬ」とは申しますが、それでも真実は一つしかございません。

警察庁の講話は噂や憶測が出やすいものの一つでしょう。昔は今のように全店にメールで配信なんてことはなく、業界誌任せで2か月遅れでやっと全貌がわかるという状況でした。そんな時代は講演を聞いた人に「どうだった」と聞きに言ったものです。聞いた方も内容ではなく「口調が優しかった」「怒っていた」など自分の感想を口にするもんですから、そこばかりが噂として尾ひれをつけて駆け巡っていたものでございます。今は業界全体に講話が配布され、また業界誌も全文を掲載しWeb掲載しています。時代も変わりましたね。

さて、6月13日に警察庁の松下和彦保安課長は日遊協の総会の席上で講話を行いました。その内容についてお話を申し上げたいと思います。松下課長の講話は1月の全日遊連の講話に続いて2度目、日遊協では初めての講話でございます。前回は広告宣伝の通達発出前でもあり、指針的なものが話されました。平凡のコラム第1回をご参照ください。

平凡の戯言その1 警察庁松下保安課長の講話について

今回も最初に言及したのは広告宣伝でした。業界としては行政が通達後にどのように考えているかを知るよい機会です。気になった部分は、

① 内容を補足する通知文書やQ&Aが発出されているが、通達やガイドラインの趣旨が十分に理解されていないのではないかと思わざるを得ないものも見受けられる

という部分です。ここを普通に読むと「通達やガイドラインを読めば当然Q&Aや通知文に書く必要が無いものまで書かれている。全国のホールでは、通達やガイドラインの趣旨を読まずに限界を探ろうとしていないか」と考えているように読めます。

一方かなり偏った読み方をすると「Q&Aや通知文の作成者は、通達やガイドラインをもっと読み込んで作る必要があるのではないか。通達やガイドラインを拡張解釈していないか」とも読めてしまいます。というのも前文に「貴協会におかれましては、ガイドラインの策定に当たって、業界内の調整という難しい役割を担ってこられたものと承知しております。」と書いてあり、警察庁はガイドライン策定にあたり、日遊協が業界内の調整で苦労したと思っている節があるのです。講話にはこれ以上書かれていないのでわかりませんが、4団体が情熱を持って資料を作成しつつ、それを苦労して調整している日遊協という絵が浮かび上がってきます。

② 業界として、広告・宣伝を活用してどのような目標を達成したいのか、世間に与えるイメージの観点から同様な広告・宣伝が長期的にプラスになるのかという視点で健全化の取り組みを進めてほしい

ここでは前回の講話内にある「各ホールが一部のヘビーユーザー等をターゲットにした隠語等を用いた脱法的な広告・宣伝の競争に走ってしまえば、そもそものめり込み・依存防止対策の観点から問題となりますし、既存顧客という、決まった大きさのパイを業界内で奪い合うという結果にしかならないのではないか」にかかっていると考えられます。この部分を読むと、未だ警察が考える広告宣伝の形には程遠いことが考えられます。

③ ホール以外の視点を持つ貴協会にしかできない役割を広告・宣伝に関しても担われることを期待しております。

ここで日遊協の役割を期待しています。本講話でこのような期待は何箇所か書かれています。全体を通して、ホール職域は、まず通達・講話・ガイドラインを熟読しつつ、健全な広告宣伝を行っていくという自覚を持つことから必要なのかもしれない。こう思ったのでございます。

松下課長の講話は最後が刺激的です。今後行政が期待したり考えたりすることが書いてありました。「トラック運転手の2024年問題」「ペーパーレス化」「将来的な行政手続きのオンライン化」などが今後の保安課の課題であることがわかります。

そして、最後にも日遊協への期待が書かれています。「常に『社会から見られる視点』を持ちながら、業界のあるべき姿を追い求めてきた歴史があることから、ホール、メーカー、販売会社それぞれの立場からは解決が困難な課題については、業界唯一の『横断的組織』である日遊協の役割がその解決に当たって不可欠になると考えている」と伝えられています。

業界が縮小するにつれ、多くの難問が増えてまいります。だからこそブレない横断組織の日遊協に期待をしているのでしょう。全日遊連の講話に比べ簡潔で大幅に字数を減らし伝えきる内容を見て「日遊協の会員ならこれくらいでも伝わるよね。よろしく」と、松下課長がもつ日遊協への信頼を感じた内容でした。

日遊協通常総会における警察庁保安課 松下和彦課長の講話

筆者紹介:甲乙亭平凡
業界歴30年。知りたがり、言いたがりで好きなことは早口で喋りがち。夢は老後のパチンコ三昧と平凡を地で行く男が、業界に深く切り込み意見する内容は金言か妄想か。人見知りを直そうと落語教室に通ったことがあるため、落語口調で話してしまう。

 

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