2022.7.20

供給側4団体がスマート遊技機フォーラム

日工組、日電協、PSA、認証協の4団体は7月19日、都内の東京ドームホテルで「スマート遊技機フォーラム」を開催した。会場にはホール4団体の関係者らが参加したほか、その模様はオンラインで全国の業界関係者に広く公開された。
 
フォーラムの冒頭、主催者を代表して壇上に立った日工組の榎本善紀理事長は、スマートパチスロ(スマスロ)が今年11月、スマートパチンコ(スマパチ)が来年3月に市場投入されるにあたって、「依存対策、また不正対策に資する遊技機として安全・安心を担保するスマート遊技機が、業界のデジタル化の可能性など、どう未来につながるかのご理解を深めていただければと思う」と挨拶。また、日電協の兼次民喜理事長は、ホール数の減少傾向が続く業界の厳しさを示した上で、「スマート遊技機がこうした傾向に歯止めを掛けるものと信じている。今後のホールの店作りの規模、新規出店の傾向も変わってくる」と語り、出店リスクの小さい小規模店舗の展開に期待を寄せた。また、兼次理事長は、導入が始まった6.5号機が現在、好稼動を示していることに触れ、「これらは、いわゆる4000ゲームの差枚数機。ゲーム数管理のない差枚数機であるスマスロは、ファンの皆さまにこれまで以上に喜んでいただけるものと信じている」と自信を示した。
 
主催者挨拶に続き、スマート遊技機の遊技性と今後の遊技機に搭載される「コンプリート機能」について、日工組の盧昇副理事長と日電協の大泉秀治理事がプレゼンテーションを行った。この中で盧副理事長は、スマパチの大当たり確率の下限値を現行内規の320分の1から350分の1にすることで、スペック設計の幅が広がり、より多様性のある遊技機の開発が可能になることを説明。さらに、「C時短」の搭載で今までにない出玉の波を作り出すことが可能になると述べた。また、大泉理事は、いわゆる2400枚規制をMY管理から差枚数管理に変更した流れをあらためて説明するとともに、有利区間ゲーム数が廃止されるスマスロについて、「設計の自由度が格段に改善され、多様なゲーム性が可能になる」と語った。
 
さらに、日電協でスマスロ普及推進プロジェクトリーダーを務める里見治紀理事がスマート遊技機の普及によって期待される効果を説明。遊技性の向上や依存対策、不正対策のほか、省エネ効果や各種コストの削減、感染症対策、騒音低下によるホールスタッフの労働環境改善の効果を示すとともに、業界のDX化などの将来像を語った。
 
ホール団体関係者を招いたパネルディスカッションでは、全日遊連の阿部恭久理事長と日遊協の飯塚邦晴副会長がスマート遊技機のセキュリティ面の向上などに期待感を示した。一方で阿部理事長は、「ホール運営の高コスト化が進む一方でファン人口が大幅に減っている。やはり遊技機の価格などにはご配慮いただきたい」と述べた。
 
フォーラムではさらに、シンクタンク関係者2名がスマート遊技機がもたらす効果についてシミュレーションを語ったほか、スマートユニットを供給するPSAと認証協によるプレゼンテーションが行われた。

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