【短期連載第1回】使用済み旧規則機の適正処理の遂行 〜撤去後の「凱旋」のいま〜

使用済みパチスロの処理システムはパチンコほどに確立されていないのが現実だ

来年11月末の旧規則機完全撤去に向け、使用済み遊技機の適正処理が大きな課題になっている。11月10日開催の余暇進理事会に寄せられた警察庁保安課課長補佐の講話でもこの課題について「過去のように、遊技機の野積みといった形で問題を繰り返さないことが求められる」と旧規則機の適正かつ計画的な廃棄処理に言及があった。来年までに排出される使用済み遊技機は300万台以上とかつてない台数になるが、排出タイミングが集中した場合には処理業者の処理が追い付かなくなることも懸念されている。直近の旧規則機の大量撤去といえば、11月に撤去された「ミリオンゴッド‐神々の凱旋‐」約6万台が挙げられる。適正処理の見通しについて撤去後の現状を聞いた。

 

現状はほぼ倉庫保管されたまま

「店舗ごとに倉庫で保管している。今後自社倉庫にまとめてからどう処理するか決める予定。メーカーから下取りや買取りの案内を待っているが、なるべく費用負担がないようにしたい」(関東の中堅ホール企業)、「取引先の運送会社の倉庫に保管しているが、今後次々と旧規則機が外れていく。倉庫の保管状況をみながら少しずつ処理に回している」(九州の中堅ホール企業)、「自社倉庫に保管している段階。『凱旋』は液晶機なので回収処理業者の買取りを見込んでいる。少しでも高値で引き取ってくれるところをこれから探す予定だが、倉庫スペースの関係から『沖ドキ』の撤去までには処理の目処を立てたい」(首都圏などに20店舗以上展開する大手企業)。現状はほぼ倉庫に保管されたままの状態になっており、これから排出処理を検討する企業が多い。具体的な排出処理についてもコロナ禍の厳しい状況の中、倉庫にかかる費用も含めてホール側の負担はなるべく抑える方向で考えているようだ。

 

「凱旋」のメーカー下取り・買取りの行方

使用済み遊技機は通常、ホールや取引業者の倉庫に一時保管されたのち、メーカーや回収処理業者による下取りや買取りで排出され、その大半は日工組の広域回収システム(指定処理業者4社)や一般社団法人 遊技機リサイクル協会(指定処理業者13社)のシステムによって適正処理されている。この2つのシステムでは、加盟するメーカーが処理費と運送費を負担しているためホールの費用負担がなく、排出処理までスムーズな流れになる。しかし「凱旋」はどちらのシステムにも加盟していないメーカー製。今のところメーカーから下取りや買取りのアナウンスはなく、このまま案内がなければ排出者であるホールの責任で適正処理を進めていかなければならない。ヒアリングしたホール企業の中からは「非加盟のメーカーの台も費用負担してくれる仕組みになればと思う。これだけ厳しい時期なので費用負担はやはり難しい」という声も聞かれた。

 

今後に備えて早期処理に踏み切る企業も

現時点ではまだメーカーの案内待ちの状態だが、昨年の「バジリスク絆」の撤去時と同様にメーカーの下取りや買取りがないのを見越し、早々に排出処理を決めている企業も一部にある。「これから店舗の倉庫に一時保管が増えていく中で、メーカーの対応を確認してからだと遅い。今回は幸いにも取引先の中古機販社に1台数百円から千円程度ですべて引き取ってもらったので倉庫保管しなくて済んだ。ただでさえ最近のパチンコ台は装飾部の別保管など余計に場所をとってしまうので、既存の倉庫スペースの運用面でパンクしないことを優先している」(首都圏の中堅ホール企業)。今後の旧規則機の大量撤去に備えるためにもこれまでの経験を踏まえ、倉庫の保管スペースを最優先に考えて先手を打っているわけだが、やはり業界の命題は「適正処理の遂行」。液晶など有価物を扱う回収業者が高値で引き取ってくれたとしても、液晶が外れた遊技機の処理についてはその後の足取りが明確でないケースも考えられるため、回収業者によっては適正処理が担保されないという問題も潜んでいる。

 

使用済み遊技機の適正処理とは

では、使用済み遊技機の適正処理とはどのような処理を差すのか。その基準については、遊技機リサイクル推進委員会(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商で構成/座長:日遊協)が定めた「使用済み遊技機の管理及び解体処理に関するガイドライン」に示されており、その基準に沿った処理が「適正処理」にあたる。基本的に日工組の広域回収システムに加盟する処理業者4社、遊技機リサイクル協会に加盟する13社に加え、日遊協がガイドラインに即して処理していると認定した処理業者17社を合わせた全34社に使用済み遊技機がわたれば、適正処理が担保されることになっている。確かに使用済み遊技機を高値で買取りしてくれる回収業者はホールにとってありがたいが、適正処理が担保されなければ、業界バッシングを引き起こすであろう不法投棄につながる可能性も否定できない。来年に向けて300万台以上もの使用済み遊技機が排出されていく中、ここで改めて「適正処理」に目を向ける必要がある。

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