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- 【期間限定公開】人財に育てる第4回「個性を見る」
「人財に育てる」シリーズの第1回では「必要条件を列記」することを勧めました。店舗の一員として認められるためには何が必要なのか、それを見える化するべきだと申し上げました。そして、第2回で必要条件を満たすまでの「ロードマップづくり」が重要であることを説明しました。しかし、ロードマップは一つの目安です。ロードマップに拘りすぎると新人スタッフの重荷になりかねません。新人の個性を見て、柔軟に対応することが指導者には求められます。
人材コンサルタント 西岡 隆
●人はそれぞれ知識も能力も異なる
採用される新人スタッフは、それぞれに異なった経験をしています。就労経験がない人もいれば、パチンコ・パチスロで遊んだことがない人、パチンコ店での勤務が長かった人もいます。そのように知識も能力も異なる人に同じような説明をしたところで、同じように仕事ができるようになることは期待薄です。この間まで学生で、就労経験のない人は遅刻や急な欠勤のことを軽々しく考えているかもしれません。出勤時にあいさつもせず、まずはそこから指導をしなければならないことも多いのではないでしょうか。一方、パチンコ店勤務の経験者は、どうしても過去のやり方にとらわれます。妙に手の抜き方だけが達者な人もいます。教育の効果を上げるためには、それぞれの人にあった指導をするべきです。
●その人を知る
まず、自分を基準にして他人を評価するのを止めましょう。多くの人は、自分のことを“普通”だと思って他人を評価しがちです。しかし、それは単なる勘違いです。入店時の仕事ができなかった頃の自分を忘れていることがほとんどです。人の長所と短所は裏表であったりします。どのような指示に対しても「はい」と元気良く明るく前向きに取り組むスタッフが実は注意散漫で凡ミスを繰り返していたり、いつもにこにこと表情が豊かで人好きのするスタッフが仕事の飲み込みが悪かったりすることもあるのです。人にはそれぞれ個性があります。新人スタッフにどのような個性があるのか、その人を知ることで教育の効果は異なってきます。パチンコ店の勤務経験はなくても、遊技経験のあるスタッフならお客様目線の説明が理解しやすいかもしれません。サッカーや野球などが趣味の新人には、パチンコ店の業務がチームプレイであることを説明することができるかもしれません。彼や彼女のことをきちんと見て、彼や彼女に相応しい指導をするようにしましょう。
●長所を伸ばす
指導にあたっては、新人スタッフの長所を伸ばすことを優先します。できないことや欠点をあげつらっても、その新人スタッフの意欲を削ぐだけです。できることや長所を伸ばすことを優先すべきです。表情が豊かなスタッフには笑顔の良さを元気の良いスタッフにはその積極性を活かして仕事をしてもらいましょう。できること、褒められたことを少しずつでも磨き、増やしていく方が、できないことや欠点を補おうとすることより、そのスタッフの成長を早めます。
▼個性と我
ときどき、「私(僕)って、○○なタイプじゃないですか~」というような発言をする若者がいます。自分の個性を主張しているつもりなのかもしれません。しかし、それは個性ではありません。むしろ、「我を張る」「我が強い」の“我”みたいなものです。個性ではなくて、欠点かもしれません。彼や彼女のコンプレックスの表れなのかもしれません。個性というものは自分から主張するものではなく、周囲の人々に認められてこその個性です。その点をはき違えてはいけません。
筆者プロフィール:西岡隆(EBI 人材コンサルタント)
2004年EBI入社。人材開発研修、新卒採用支援などに従事。本部・店舗での豊富な人材育成経験に基づく、具体的で分かりやすい研修が好評。
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