2024.1.1

伊豆の「秘宝館」に昭和20年代以降のパチンコの変遷を展示

遊技通信には、珍しい場所に古いパチンコ機が設置されている施設を訪問する「レトロパチンコ探訪」という記事がありました。
今回は、2016年5月号に掲載された静岡県伊東市の「まぼろし博覧会」をご紹介します。


静岡県伊東市にある「まぼろし博覧会」は、性風俗に関する資料や美術品、骨董品などを展示する、いわゆる「秘宝館」と呼ばれる施設。近年は維持費の高騰や入館者数の減少などで閉館が相次いでいるが、現存する秘宝館のなかでも同館はその独特の世界観がインターネット上でも話題となっており、伊豆のB級スポットとして注目されている。

館内に入ると最初に現れるのが「昭和の時代通り抜け」と銘打ったコーナー。当時の生活様式を再現した展示に使われている小物類はすべて本物で、施設を運営するオーナーの私物だ。その一角にはパチンコ店を模した空間があり、2体のマネキンに迎えられてなかに入ると手打ちのパチンコ台が7台並んでいる。

手前にある一番古い台は、名古屋の日本堂製作所が作った変型正村ゲージのオール10。連発式が登場する前の昭和20年代半ばのものとみられ、入賞口についているハッタリと呼ばれるブリキ板には、バナナやブドウなどの果物が描かれている。その隣は、神戸共楽のVESTA。センターケース下にチューリップがある下チューリップタイプで、盤面上部には、玉を誘導する役割を持つクラゲが付いている。

左から四番目の台は、西陣の「万朶の桜」。昭和35年に同社が発表したレコンジスタに始まる「無人機」機能を発展させた「W循環式無人機」と呼ばれる機構が搭載されており、枠の下にデザインされた優雅な桜の文様が特徴的な一台だ。さらに、チューリップが4つついたニューギンやプラスチック部品が多く使われて現在の遊技機に近い印象の大一商会の台など、昭和20年代から40年代に作られたパチンコが年代順に並ぶ。機能面の進化やデザインの変遷を実機を通じて知ることができる貴重なラインナップだ。

パチンコの展示について同館のオーナーは、「昭和の娯楽の象徴としてパチンコを展示したいと思っていましたが、調べてみると昔の台を取り扱っているところが少なく、集めるのに大変苦労しました。資料的な価値があった方がよいと考えて作られた年代順に並べています。実際に遊技することは出来ないのですが、私はコレクターではないので皆さんに見てもらって楽しんでもらえれば、それで嬉しいです」という。

■まぼろし博覧会
静岡県伊東市富戸字梅木平1310-1
TEL:0557-51-1127
開館時間:午前9時〜午後5時30分
     ※時期によって変動あり
入場料:大人    1400円
    小・中学生  600円

https://maboroshi.pandora.nu/

 

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