パチンコ依存問題の電話相談機関、リカバリーサポート・ネットワーク(RSN・西村直之代表)がまとめた2020年における電話相談事業の報告書によると、昨年1年間にRSN沖縄事務所で受けた電話相談は3,703件で、前の年から1,519件減少した。年間の相談件数としては、夜間の対応を開始した2017年以降でもっとも少なかった。報告書では、新型コロナウイルスの流行に伴うホールの休業や営業自粛、遊技参加人口の減少、さらにはホール数の減少などが相談件数の減少につながったものと推測している。2006年4月の開設からの累計相談件数は39,916件になった。
 
2020年に受けた初回相談1,858件のうち、相互援助グループであるギャンブラーズ・アノニマスや精神保健福祉センター、保健所、医療期間など相談者に他の機関を紹介したのは全体の38%にあたる701件で、残りの1,157件は電話相談で相談者本人による問題解決を提案、支援した。紹介先は前の年と同様、ギャンブラーズ・アノニマスがもっとも多く、次いで医療機関、精神保健福祉センターと続いた。
 
相談者の内訳は、問題のある本人からの電話が1,585件で全体の85%を占めた。8割以上が本人からの相談で、なおかつ相談者の年齢が10代から80代までと幅広く分布していることは、RSNの電話相談の大きな特徴だとしている。相談経路は、ホール内のポスターが701件でもっとも多く、525件で次に多いインターネットと合わせて全体の6割に達したが、ほかにもホールの折込チラシ、配布物、貼付ステッカー、さらにはATMの啓発メッセージなど、ホールに関連した経路は多様化していることを示した。
 
また、2016年5月から認定NPO法人ワンデーポートと共催事業として行っている対面相談では、1年間で52件の個別相談を受けた。家族相談では、金銭的な問題が相談の動機となることがほとんどであるため、ギャンブリング問題と債務問題の両方に精通する司法書士と精神保健の専門職がこれに対応。昨年は新型コロナ感染症対策を考慮し、会場の変更や電話・オンラインでの相談などを実施し、臨機応変に対応したことを報告している。
 
報告書の発刊にあたってRSNの西村直之代表は、パチンコ店や遊技参加者の減少に拍車がかかる一方、公営競技のオンライン・ギャンブルへの参加は増大するなど、新型コロナウイルスの感染流行が日本のギャンブリングの様相を大きく変えていることを指摘。オンライン・ギャンブルが広まるなどの今後の変化に対して、今の日本の疫学調査体制では十分に把握することは困難だとした上で、「刻々と変化する遊技産業とパチンコユーザーの動き、そこに存在する負の影響を把握することは容易ではないが、それでも実態を把握しなければ社会との齟齬や作られたイメージの中で日本独特のパチンコという娯楽はさらに規模を縮小していくことになる」としている。
 

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